着メロにはご注意を

皆さんは、ケータイの着メロというのをどのようにされているのだろうか。僕の場合は、自分の曲や他人の曲で気に入っているものを、自分でフォーマット変換して使うことが多いのだけど、今回は、それも善し悪しですよ、という話。

もともと、僕はずっと山下達郎の "SPARKLE" という曲を着メロに使っていた。どういう感じかというと……:

山下達郎 "SPARKLE" 着メロ(イメージ)

……こんな感じである。実際にはモノラルで、しかももう少しキツい圧縮がかかるので、それを前提としたデジタル信号処理をしてから着メロ化するのだけど、まあ同じ感じだと思っていただいてかまわないと思う。

この "SPARKLE" のイントロは、山下達郎が自ら演奏するカッティングソロで始まるのだが、これはとにかく着メロとしての聞き落としはゼロに近い。そういう意味では非常に有用なのだけど、いかんせん派手というか、人前でいきなりこれが鳴ると非常に目立つわけで、他に何かいいものはないか、ずっと探していたことがある。

静かな曲で印象的なイントロのもの……というと、やはり僕の好きな四人囃子の『レディ・ヴァイオレッタ』という曲がある。僕はこのインストゥルメンタル・ナンバーが昔から好きだったのだけど、色々考えた挙句、とうとうこれを着メロにしてしまった:

四人囃子『レディ・ヴァイオレッタ』着メロ(イメージ)

うんうん、なかなかいい感じだなあ……と、思っていたのだ、最初は。そう、最初は。

誤解しないでいただきたいのだけど、僕は今でもこの『レディ・ヴァイオレッタ』が好きだし、実際にいい曲だと思っている。しかし、だ。静かな曲で印象的なイントロ、というのは、実は「どきっ」とさせられるイントロなのだ、ということを、あまり深く考えていなかったのだ。

ちょっとした都合で、電話がかかってくるのを辛抱強く待たなければならないことが何度かあったのだけど、静かな部屋で、気を紛らわせるように書きものなどしているときに、このイントロが流れると……どきっ、とする。そう、どきっ、とするのだ。最初のうちはそれでよかった。しかし、それが何度も繰り返されると、このイントロで受ける「精神的衝撃」の度合いが、どんどん上がってくるのである。しまいには、このイントロが鳴ると、心臓をわし掴みにされたような心持ちになってくる。気がつくと、もうすっかり、このイントロを避けている自分がそこに居たのである。

こんな風に、好きな曲のイントロを「聞きたくない」ものにしてしまう、という危険性が、着メロの選択においては存在することを、僕は声を大に主張しておきたいのである。いや、本当、このイントロを聞く度に、今も僕の胸はギュン、と締め付けられるのである。おかげで現在、僕のケータイの着メロは「電話のベルの音」(こちらの方が「精神的衝撃」は小さいのだった)に設定されているのだ……

2010/11/19(Fri) 00:03:16 | 音楽一般
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Profile

T.T.Ueda
Tamotsu Thomas UEDA

茨城県水戸市生まれ。

横山大観がかつて学んだ小学校から、旧水戸城址にある中学、高校と進学。この頃から音楽を趣味とするようになる。大学は、学部→修士→博士の各課程に在籍し、某省傘下の研究所に就職、その2ヵ月後に学位を授与される(こういう経緯ですが最終学歴は博士課程「修了」です)。職場の隣の小学校で起こった惨劇は未だに心に深く傷を残している。

その後某自動車関連会社の研究法人で国の研究プロジェクトに参画、プロジェクト終了後は数年の彷徨を経て、某所で教育関連業務に従事。

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