記録するか、記憶するか

皆さん、もうやめませんか?旨いものを飲み食いするのは一向構わないんですけど、それをすぐスマホで写真に撮ってインスタグラムとか facebook とかに上げるのって……

僕は別に食い道楽や飲み道楽だとは思っていないのですが、たまたま酒関係や飲食業界関係に知人ができることが多くて、おそらく世間の人が飲み食いできないようなものを色々口にする機会があった方だ、と思うんですね。しかし、それを映像で記録することには何ら執着を感じないんですよ。

じゃあ僕がそういう体験を捨てているのか、というと、そんなことは勿論ないわけです。僕は、そういうことは、その周辺の事々や人々も含めて、記憶しているんですね。思い出にしておけば、それは忘れかけた頃にまた幸せになるんですよ。そして、そういう幸せは、きっとスマホで写真を撮ったり、インスタグラムで公開したりすることでは得られないんですね。僕の記憶は、思い出は、他人に誇ることで優越感を得るためのものではないんです。そんな安っぽいものじゃないんです。もう、金を積んでも口にできないもの、そういうものを口にしたことは、映像でひけらかす必要なんて何もないんです。新しいものに出会ったときに、その驚きを強めてくれて、過去の時間を思い返すときに、そこに道標のように存在していてくれる、そういうものなんです。内に秘めていて、それでも十分幸せなものを、僕は知っているんです。

皆さんだって、きっとそんな思い出を持てるはずなんです。もう、やめませんか。映像で他人に誇るのは。記録するより、記憶しませんか。その方が、もっと幸せになれるんじゃないかと、僕はそう思うんですけどねえ。

2015/09/23(Wed) 23:31:19 | 日記
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T.T.Ueda
Tamotsu Thomas UEDA

茨城県水戸市生まれ。

横山大観がかつて学んだ小学校から、旧水戸城址にある中学、高校と進学。この頃から音楽を趣味とするようになる。大学は、学部→修士→博士の各課程に在籍し、某省傘下の研究所に就職、その2ヵ月後に学位を授与される(こういう経緯ですが最終学歴は博士課程「修了」です)。職場の隣の小学校で起こった惨劇は未だに心に深く傷を残している。

その後某自動車関連会社の研究法人で国の研究プロジェクトに参画、プロジェクト終了後は数年の彷徨を経て、某所で教育関連業務に従事。

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