はじめに

日本語タイプセット環境

このドキュメントは、Linux ユーザと Mac OS X ユーザのための、TeX Live による日本語タイプセット環境を整備するためのガイドです。

「タイプセット」というのは、簡単に言うならば「組版」ということになるでしょうか。文字や画像による情報の体裁を整え、印刷物などに供することができるかたちにすることを、こう言います。おそらく、ここを読まれるほとんどの方が、俗にワープロと呼ばれる、日本語ワードプロセッサを使用して文書を作成されたことがおありと思いますが、ここで言う「タイプセット」というのは、そういう簡易的な文書の作成も含めた文書整形を指す言葉です。

TeX とか LaTeX とかって何よ?

……という疑問をお持ちの方は、ググるなり amazon を漁るなりしてみて下さい。星の数程の文書が存在することが分かるでしょう。この手の質問はそれらの文書を御参照下さい。

上記の質問を疑問としてお持ちで、TeX / LaTeX というものを使ってみたいなー、と思われる方は、とりあえず以下の書籍を購入されるのが一番の早道でしょう:

[改訂第6版] LaTeX2ε美文書作成入門, 奥村 晴彦, 黒木 裕介, 技術評論社 (2013/10/23), ISBN-13: 978-4774160450
以下、このコンテンツでは、この本が手元にあることを前提として記述を進めていきます……いや、それ位、この本が must item として世に知られているからで、僕が決して横暴としてこういうことを書いているのではありませんので、悪しからず。

僕は統合環境が大っ嫌いだ!

これも横暴だと言われるのかもしれませんが、僕はいわゆる統合環境というものを好みません。TeX / LaTeX においても、TeXworks とか TeXShop のような統合環境がありますし、現在はむしろそれらを通して TeX / LaTeX を使う人の方が多いのかもしれません。しかし、30年以上コンピュータを触っていて、他人に質問されるようになってからも結構な年月が経つ身としては、それらの統合環境を使っている人は警戒対象なのです。エラーメッセージひとつ自分の目で確認しようともせずに stupid な質問……「○○に書いてある通り打ち込んだのに動きません」みたいな……を安易にしてきて、コマンドの打ち間違いとか、事前に指定するべき事項の抜けとか、他人の手を煩わせるまでもないことで貴重な時間を空費させる(ええ空費ですよ、だってその9割以上がコミュニケーションのために消費されて、互いに残るものなんてほとんど何もないんですから)人は、大抵そういう統合環境を盲信的に使っていて、その結果として問題の切り分けができていないからです。

僕は統合環境というものの利便性を否定する気は毛頭ありません。しかし、教育的見地からすると、上述のような「盲信者」の弊害を否定できないのです。ですからここでも、そういう統合環境に関してはこれ以上言及しませんし、そういう環境を使うことをお薦めもしません。使い慣れたテキストエディタ(僕の場合は GNU Emacs と vi ですが、まあこれは人によって色々あるんでしょうし、そういう道具に関しては尊重されるべきでしょう)と、xterm とか Terminal.app を通して shell (僕は bash ユーザなので、もしも tcsh 等を使われている方は適宜読み換えて下さい)を使うことを前提として、話を進めることにします。

また、同様の理由から MacTeX に関しても解説しません。MacTeX は TeX Live 準拠と言われていますから、参考にはなるかもしれませんが、齟齬がある場合はあくまで自己責任ということでご了承下さい。

TeX Live ベースの拡張環境に関して

既存の TeX Live に対して、ソースレベルでパッチを当てたり、追加のパッケージを導入したりすることで、充実した日本語環境を構築しようとする試みがあります。これらは、将来的に TeX Live の本流にマージされる可能性が高く、TeX Live の日本語環境を充実させる上で欠かせない存在です。

歴史的経緯等に関しては、後程簡単に書くつもりですが、この文書においては、tlptexlive に関してのみふれることにします。


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