インストール後にやること

インストールしてから、いくつかやっておくことがあります。

path の設定

シェルに対して、TeX Live のシステムの実行形式ファイルの在処を示す必要があります。~/.profile などの、自分のホームディレクトリ内で PATH を規定しているファイルに対して、

PATH="/usr/local/texlive/2017/bin/x86_64-linux:$PATH"
MANPATH="/usr/local/texlive/2017/texmf/doc/man:$MANPATH"
のように、TeX Live の実行形式ファイルと man ファイルの在処を追加します。この記述後は、シェルを開き直すか、
$ . ~/.profile
のようにして再読み込みを行うことで、設定が反映されます。

dummy パッケージの作成・インストール

TeX Live を /usr/local/texlive/ 以下にインストールした場合、周辺のユーティリティと texlive との依存性の問題から、システムのアップデート時に、ディストリビューションの提供する texlive 関連パッケージがインストールされてしまうことがあります。これを避けるために、ディストリビューション側から見ると texlive 関連がインストールされているように見せるための dummy パッケージをインストールしておく必要があります。

dummy パッケージに関しては、TeX Wiki の説明が網羅的かつ詳しいので、そちらをまずは御参照下さい。Debian 系のパッケージに関しては TUG の説明も読まれることをお薦めします。

あと、pretest 版をインストールされた場合は、debian-equivs-yyyy-ex.txt の中身の年号を次年度に書き換えたもので、次年度版の dummy パッケージを作成・インストールする必要がありますのでご注意下さい。

インストールしておくと便利なユーティリティ

Adobe Reader

メインとして使うかどうかは別として、Adobe Reader を install しておくことをお薦めします。PDF の表示・印刷に使用するのも勿論ですが、Adobe Reader には小塚明朝 / 小塚ゴシックという高品質の CID フォントが付属しているからです。

Linux の場合、Adobe Reader は32ビットバイナリしか公開されていません。ここを読まれている Linux ユーザの方の多くは 64 bit システムを使われていると思いますが、現在の apt は複数のアーキテクチャのシステムを並立させることができます。

$ sudo dpkg --add-architecture i386
$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get clean
とすることで、i386 の環境を並立させることができます。インストールは、
$ sudo apt-get install acroread:i386 acroread-fonts-jpn
のように、i386 バイナリに対しては ":i386" が付加されます。

「現実的な」PDF ビューア・印刷用ユーティリティ

Adobe Reader は正直言って重いですし、ライブラリの更新時期等にはインストールすらできなくなることもあります。ですから、常用されることはあまりお薦めしません。ただし、後述の Evince などが印刷できない PDF を印刷できることがあったりするので、入れておいた方が安全かとは思います。

僕はビューアとしては zathura を常用しています。印刷には使えないですが、動作は極めて軽く、また SyncTeX に対応していますので、PDF を更新すると表示もそのまま更新されます。ただし、vim のキーバインドに慣れていないと使い辛いかもしれません。

印刷も含めて使い易いビューアとして、ここでは Evince を挙げておきます。動作も軽いですし、マトモな TeX で作成した「マトモな」PDF ならば、印刷で困ることはまずありません。

PS / PDF 用ユーティリティ

Linux ユーザの方は、pdftkをインストールされることをお薦めします。pdftk は、PDF 使用時の様々な問題(抽出・合成・回転・パスワード付与……等々)をコマンドラインで処理できる強力なユーティリティです。

locate データベースの更新

UNIX 系システムでは、ある文字列を含む名前のファイルの在処を探すのに "locate" というコマンドがあります。もともとは GNU findutils で実装された slocate が使われていましたが、最近は mlocate を使われている方が多いかもしれません。

ほとんどの UNIX 系システムの場合、この locate コマンドが参照するデータベースは、1日に1回程度更新されるような設定になっています。しかし、今回のように大量のファイルをインストールして、そのファイルの在処をすぐ探す必要がある場合には、手動でこのデータベースを更新することもできます。Linux の場合は:

$ sudo updatedb
で更新できると思います。詳細は "man locate" を参照して下さい。

データベースの更新が終了したら、システムのほぼ全ての領域で、ある文字列を含む名前のファイルがどこにあるのか、locate コマンドで検索することができます。たとえば、プレゼンテーションに用いられる beamer というパッケージがどこにあるかを調べてみましょう。

$ locate beamer
と入力すると、"beamer" という文字列を path に含むファイルの名称がフルパスで全て表示されます。多くの場合、locate コマンドは大量の出力を返してきますし、直接関係ないファイルでたまたま "beamer" という文字列を含むファイルも表示されます。このような場合には、パイプや grep、less 等のコマンドを併用して、
$ locate beamer | grep texmf | less
などのように入力することで、更にフィルタリングした出力を効率よく閲覧できるでしょう。


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