TeXworks のセットアップ

TEX/ LATEXで処理するもとのファイルは、あくまでテキストファイルに過ぎません。ですから簡単なテキストエディタ(Windows であればメモ帳でも構いません)があれば、ファイルを作成することはできます。たとえば、このようなファイルを作成し、C:\Users\foo\bar.tex(ここではユーザ名を foo とします)というファイル名で保存したとします。

\documentclass[a4paper,12pt]{jsarticle} 
\begin{document}
\TeX / \LaTeX のテスト。
\end{document}
pLATEXでこの文書を処理するために、まずコマンドプロンプトを開きます。
cd C:\Users\foo
と入力してファイルのある場所に移動してから、
platex bar.tex
と入力すると、platex による処理が行われ、正常に終了すれば、bar.dvi が生成されているはずです。その後、
dvipdfmx bar.dvi
と入力すると、dviware である dvipdfmx が起動して、bar.dvi の内容を bar.pdf に出力します。アイコンをダブルクリックすると、Windows の標準の PDF ビューアとして(標準の web ブラウザでもある)Edge、他に Adobe Acrobat Reader DC 等をインストールしていればそちらが起動して内容が表示されます。

コマンドプロンプトでは、カーソルキーの上下でヒストリ(過去のコマンド入力の履歴を辿って再利用すること)が使えますので、この使い方でも慣れてしまえばそう苦にならないかもしれません。実は私もこうやって使うことが多いのですが……ただし、慣れていない人にとっては苦痛だろうと思います。

そこで、軽い動作のテキストエディタと PDF ビューア、そしてコマンド入力で行っていた処理をボタンを押すだけで行うことができるような機能をひとつにした統合環境が使われることが多くなってきました。TEX/ LATEX用の統合環境は実は色々存在しているのですが、TeX Live には Windows 版の TeXworks が最初から収録されています。ユーザも多いので、設定等に関しても情報が多く、特に使い始める人には便利なものだろうと思いますので、ここではそのセットアップに関して説明を行います。



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2020-05-05