とりあえず TEX を使いたい、もしくは使わざるを得なくなった人のために

最近は減っていたのだけど、TeX のインストール絡みで、特に Windows でのインストールに関する質問を貰うことがあった。これまで、半分は自分がメインで Windows で使っていないから、半分は時間がないから……という理由で、あまり積極的に回答していなかったのだけど、一応何かしら使える document を書いておいた方がいいかなあ、と思ってはいたわけだ。

ではそれを何故躊躇していたか、というと、HTML5 になってから、CSS とか一々書くのが面倒で……というのがあったからだ。『TeX Live を使おう──主に Linux ユーザのために──』も一応 HTML5 化してあるのだけど、あれは確か w3m に添付されているものを基にでっちあげた CSS を使っていて、まあテキトーにやってあるわけですよ。同じようにやりゃあいいという話もあるのだけど、正直今回はそれも面倒だった……要するに、モチベーションが上がらないわけです。

モチベーションの上がらない理由は色々あるんだけど、やはり一番の理由は私が Windows をメインに使わないし、使う気もないから……なんだろうと思う。なので、今回も書く作業自体は Linux 上で行っていた。Windows には一度 TeX Live 2019 を(既に入れていたものを完全に削除した上で)クリーンインストール→動作確認をして、その際のスクリーンショットをバチバチ撮っただけ。

で、まあ最初はまず LaTeX で書いて、その後どうにかしようと思っていたのだけど、あの独特の体裁であることを受け入れさえすれば、一番確実に変換できるのは実は latex2html であることが実験の結果分かった。アイコンの画像ファイルが何故かローカルのインストールディレクトリにリンクされているのと、hyperref でリンクを張るときに、URL に "%" が入っているとそこで変換がおかしくなるトラブルがあったが、まあこの程度なら置換するのは難しくない。ということで、今回は latex2html で変換して載せました。

http://fugenji.org/thomas/tori-tex/tori-tex.html

お役に立てば幸いです。

『TeX Live を使おう──主に Linux ユーザのために──』もう少し改訂

TeX Live を使おう──主に Linux ユーザのために──だが、もう少し改訂を入れておいた。具体的には、

  • 日本語フォントの説明とフリーフォントの埋め込みの記述を分離
  • 源ノ角ゴ・源ノ明朝、Noto CJK フォントの使用ガイド
  • LuaTeX-ja による縦書きの説明を追加
  • リンク切れ追跡・修正、https 化への対応
を足した。まあ、とりあえず現時点でできるのはこんなものかねえ。しかし、誰かもっと分かり易いガイドを書いてもらえませんかね……私が大学生や院生だったらきっと書いてると思うんだけどなあ。document って、何も cutting edge なものだけが求められているわけじゃないでしょう。分かっている人と分かっていない人の間のギャップを埋めるのは大事だと思うんだけどねえ。

『TeX Live を使おう──主に Linux ユーザのために──』改訂

TeX Live のガイド『TeX Live を使おう──主に Linux ユーザのために──』を公開しているわけだけど、しばらくちゃんとした更新をサボっていて無惨なことになっていたので、今日の午前中の時間を使って各所を書き換え、あまりに古かったインストーラーのスクリーンショット等を更新した。

今の TeX Live は、フォントの選択などはラッパーがかなり充実していて、ラッパーで設定すればそれで用が足りるわけなのだけど、特に日本語フォントや luajitlatex の設定等に関しては情報を残しておきたい……ような気がするわけだ。まあ、どれだけの人に恩恵があるかどうかは分からないけど。

ちなみに私が何故ああいう情報、特に日本語フォントや縦書きについての情報を書き、掲載しているのかというと、教会で使うマニュアルを書くのに縦書きで書かなければならなかったり、青空文庫を PDF に変換していた頃に必要だったり(今は epub に変換するから関係ないんだが)していたから。まあでも最近は、文学系の同人誌を出版している人々とかの方が余程ノウハウ持っておられるだろうし、私が書く必要はないのかもしれないが、分からない人に分かるように情報を提示する技術、というのもあるかもしれないしね。

久々にフォントで悩む

最近サボっていたフォントの整備を、暇をみつけてはちょこちょこやっている。グリフ数があまりに膨大なために、なかなか TeX 関係でうまく扱いにくい源ノ角ゴシック / 源ノ明朝辺りから、まずは最終版を落としてきてインストールする。

LuaTeX で使ってみると、うんうん、ちゃんと使えますね。

warning (file /usr/share/fonts/opentype/SourceHan/SourceHanSerifJP-Light.otf) (cff): charset data possibly broken (too many glyphs)
と怒られるけどね。字体ははっきりしていて良い感じ。現状ではヒラギノ・游・源ノの使い分けという感じでしょうね。

こうなってくると、今度はブラウザという話になる。ブラウザも源ノフォントに置換したけれど、問題は等幅フォントをどうするか、という話。源ノ角ゴシックにも等幅フォントがあるのだけど、いわゆる半角・全角の比が 1:2 ではない。まあこの時代、それに拘る必要もないとは思うのだけど、気になると言えば気になるところではある。

とりあえず、最近の他のフォントということで Noto mono フォントを試してみると……おお、いい感じだけど…… 1:2 ではないな、微妙に。うーむ。ということで、等幅だけは従来から使っている Migu 1m に戻すことにする。もう少しシリアスな感じの字体が欲しいところなのだが、文句を言う立場に僕はないので……金出さない奴に文句を言う資格はないので。

まあ、もう少し各方面で調整が続きそうなのである。

Profile

T.T.Ueda
Tamotsu Thomas UEDA

茨城県水戸市生まれ。

横山大観がかつて学んだ小学校から、旧水戸城址にある中学、高校と進学。この頃から音楽を趣味とするようになる。大学は、学部→修士→博士の各課程に在籍し、某省傘下の研究所に就職、その2ヵ月後に学位を授与される(こういう経緯ですが最終学歴は博士課程「修了」です)。職場の隣の小学校で起こった惨劇は未だに心に深く傷を残している。

その後某自動車関連会社の研究法人で国の研究プロジェクトに参画、プロジェクト終了後は数年の彷徨を経て、某所で教育関連業務に従事。

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