IP2 その後

初めてのカナル型イヤホンとして AKG IP2 を買って、エイジングがようやく終わって、本腰を入れて使い始めた。

それにしても、カナル型イヤホンというのは難しい。パッドと耳道のフィット具合で低音の感じががらっと変わってしまう。要するに、密閉度が高い程低音が出易いということなのだろうけれど、この塩梅が本当に面倒なのだ。

IP2 には3種類のパッドが付属しているのだが、僕の場合、中位のサイズでは低音がややプア、大きいサイズでは低音が出過ぎ、という感じである。耳が衰えるのが怖いので、今は中位のサイズのものを使っているのだが、中と大の間というのがあれば、ぜひ試してみたいところである。あと、これから予想され得るところだけど、耳をちゃんと掃除していないとダメダメな状態になるわけで、これも問題なのである。

しかしなあ。こうもナーヴァスだとは思わなかった。どうせ世間の大半の人々は低音ボッコボコなのをよしとしているんだろうけれど。ロック好きでも、そういうのは我慢ならないのだ。いや他人のことは知りませんけれどね。自分では、そんなジャンクフードみたいな音は御免被る。

AKG IP2

長い間使っていた AKG のイヤホンのケーブルが切れた。リッツ線なので、修理するにも問題がある。それに、こういうものに目がないうちのニャントロ人に噛まれて、ネットに凹みがあったりもしたので、この機会に機種更新をしようと思ったのだった。

しかし、今の時点で、いわゆるインナーイヤー型の従来機種で音質の良いものは、ほとんど入手できなくなってしまった。僕はこの手の商品で、低音がブーミーなものがどうしても使えないのだ。そういう意味で、ディスコンになった AKG 312Pがない今、ほとんど絶望的な気分になっていたのだった。

カナル型で一番期待できそうなのは、SONY のMDR-EX800STなのだけど、いかんせん価格が価格で、どうしたものかなあ……と思っていたところに、AKG IP2 の存在を知ったのだった。もう、これが駄目なら MDR-EX800ST 買うしかない……と思って、サウンドハウスでこれを買ったのだった。

エイジングが進むまでは、悪しきドンシャリの音だったのだが、睡眠時間を丸々エイジングに費したこと数日……ようやく f 特がまとまってきた。分解能は高いし、いわゆるアーマチュア型のように、本質的に狭い帯域を無理矢理マルチ化した結果ダメダメになっているようなこともない。ただし、イヤーパッドと耳道のフィッティングによって低域が全然違った感じになってしまう。大きいイヤーパッドだと低域がやや出過ぎる感じだし、中位のだとやや低域が弱い(僕が言うんだから本当に弱いんだろう)。この辺りが難しいところだ。

ちなみに、この IP2 のドライバーユニットはフォスター電機(あの FOSTEX の製造元である)の OEM らしい。こういう製品がなくなると、本当に困るのである……ぜひとも、もうしばらくは供給を継続していただきたい。切にそう願うのである。

今更何をホタえとんねん

U から「R 水素って聞いたことある?」と聞かれ、何かと思って web を見ると…… http://rh2.org/ ……ハァ?何を今更ホタえとんねんな。

ここに断言しておくが、自然環境エネルギーで水から水素を産生し、それをエネルギーソースとして用いることで循環的エネルギーシステムをつくる……というのは、この R 水素なるものが語られるようになるはるか前から、国際的レベルで研究されているものなのである。日本だけに限定したって、旧通産省主導のサンシャイン / ムーンライト計画に始まって、WE-NET、そしてその後継の NEDO 主導のいくつかのプロジェクト……既に、広範な分野で深く研究が行われているのである。それに関して全くふれようもせずに、何が R 水素だっての。いい加減にしてほしい。庇を貸して母屋を取られる、じゃないけど、彼らの R 水素に関する PR 資料を見た後に、たとえば WE-NET に関する文書を見てもらいたい。はっきり言って丸パクリである。

しかも、そう簡単にそういうことが実現するならば、とっくに日本は水素社会になっているはずなのだが、なぜそうなっていないのか。それは簡単な理由で、エネルギーメディアとしての水素のエネルギー密度が他のメディアに比べて低いからなのだ。だから、高密度で貯蔵するために、僕らは水素吸蔵合金の研究をしていたわけだけど、正直言って、貯蔵密度と出し入れの速度を両立させた材料というのは現時点では存在しないと言っていいだろう。そう簡単に物事は進まないのだ。

では、国際的に、このようなエネルギー問題に関してどのような考え方になってきているか、というと、もうエネルギーはこまめに入れりゃいいじゃん、オンデマンドで作ってこまめに貯めるだけでいいじゃん、という話になっているわけだ。その反面、高密度に貯蔵さえできれば、大規模エネルギー輸送における水素の有用性は否定できないから、その筋の研究はちゃんと継続している。R 水素なんてキーワードで鼻息荒くする人々が Twitter のことも知らなかった頃から、こっちはその方面で仕事をしているのである。

僕が一番この話で危ういと思うのは、とにかくこの R 水素なるものの話をしている連中が、上に書いたようなこれまでの仕事を引用もせずに、そのコンセプトをあたかもオリジナルの革新的なものであるかのようにプレゼンしているところである。こいつらは何がしたいのかねえ。フィクサーになりたいんじゃないのかねえ。じゃなかったら、金を投じてこんな宣伝をして、みんなの党のアジェンダに書かせたりはしないよねえ。いやー、生臭い臭いがぷんぷんするじゃありませんか。

何度でも書くけれど、R 水素なんてのは新しい概念でも何でもない。僕等は彼らがそんなコンセプトを宣伝するようになるはるか以前から、とっくにそういう問題に関して研究開発をやってきているし、その成果を蓄積している。それに関する引用もなしで、我々が過去にさんざん使ってきたようなポンチ絵をそのまま使って、何が R 水素だっての。いい加減にしなさいっての。

習慣のせいで

僕がネットでニュースなどを読むときに、いつもするともなくしていることがある。ある情報を耳目にしたとき、必ずその情報が違うソースから公開されているかどうかを確認するのだ。

たとえば、韓国に関するニュースを目にしたときには、三大紙(朝鮮日報・中央日報・東亞日報)と聯合ニュースのサイトを必ずチェックする。これらは(更新頻度には差があるのだが)いずれも日本語のサイトを公開しているからだ。他の海外のニュースだったら、CNN や BBC、あるいは大手新聞社やロイター等のサイトをチェックする。最近は Twitter 経由で情報発信されるケースが多いので、そういうものもチェックする(ただし、四六時中 Twitter を監視するのはあまりに時間の無駄なのでしないけれど)。

何を面倒なことをしているのか、と思われるかもしれないけれど、これをやらないと分からないこと、というのが確実にあるのだ。一例を挙げよう。

男性殴り死なせる?ランボルギーニで逃走の情報

 10日午前7時頃、名古屋市中区錦で、通行人から「男が殴り合いのケンカをしている」と110番があった。

 駆けつけた愛知県警中署員や消防隊員が、歩道に50歳前後とみられる男性が心肺停止状態で倒れているのを発見。男性は病院に運ばれたが、間もなく死亡した。男性を殴ったとみられる男は、近くに止めていた乗用車で逃げた。同署が傷害致死容疑で男の行方を追っている。

 同署の発表などによると、逃げた男は30歳代くらいといい、身長約1メートル80。茶色の短髪で、ピンクのTシャツ、白い半ズボン姿だった。イタリアの高級スポーツカー「ランボルギーニ」で逃げたとの目撃情報がある。男性の顔や頭には多数の殴られたような痕があった。

 現場は、飲食店などが集まる歓楽街。

(2013年7月10日16時41分 読売新聞)

このニュースを読むと、へー容疑者はランボルギーニのクルマに乗っているのか、ということになるわけだが、複数のニュースをチェックしていると、

【社会】錦三で殴られ男性死亡 男が車で逃走

2013年7月10日 12時26分

 10日午前6時55分ごろ、名古屋市中区錦3の繁華街の路上で、通行人から「男2人がけんかをしている」と通報があった。中署員が、歩道に50歳くらいの男性が意識不明の状態で倒れているのを発見、搬送先の病院で間もなく死亡した。

 中署によると、死亡した男性とけんかしていた男は近くに止めていたスポーツカーに乗って西に逃走した。30歳くらいで身長約180センチ、ピンク色のTシャツを着ていたといい、中署は傷害致死事件とみて行方を追っている。

 目撃したパート女性(73)によると、けんか相手の男は飲食店などが入るビルから出てきて、止めてあった金のスポーツカーに乗り込んだ。間もなく車から降り、歩いてきた被害男性と言葉を交わした後、けんかになった。

 被害男性が倒れた際、男は馬乗りになって顔などを殴り、近くの自転車を被害男性にたたきつけるなどした後、再びスポーツカーに乗って逃走した。

(中日新聞)

ここまで読むことで、容疑者のクルマは金色のランボルギーニ、という、極めてレアなクルマであることが分かるわけだ。

この2つを含む複数のサイトでチェックしたところでは、どうも容疑者のクルマに関する情報をあえて詳細に書かないようにしているのではないか、という気がする。そこに何か意図があるのかは判然としないが。

まあそんなわけで、僕はこうやって複数の情報ソースをチェックする習慣があるのだ。それは今後も変わらないのだろう……

still unstable?

今日、LuaLaTeX を使おうとして、ltj-rmlgbm.lua に起因するエラーにみまわれていたのだった。困ったなあ……結構重要な文書を LuaLaTeX を使うように書き始めていたところだったのだ。

エラーメッセージを見ると、フォントデータベースのエントリに起因するトラブルのようにも見えるのだが、そうだとするとこれは厄介だ。というのも、このシステムにはモリサワの巨大なフォントセットを入れているので、フォントに起因するトラブルだと、原因の切り分けをするだけでも一苦労しそうな感じだったのだ……で、拝むような気持ちで sourceforge の LuaTeX-ja のソースコードを見てみると、rev. 5732f2c で北川氏が公開しているコミットがどうやら対策らしいことに気付き、patch をあててみると、やはりこれだったらしく、仕事を再開できたのだった。

こういうことがあるので、仕事に関わる文書のタイプセットを LuaTeX-ja を使用して行う場合は、TeX Live 任せにはしておけない。この種のコミットが TeX Live 2013 のに反映されるまでに何日かかるか、ということを考えると、結局 ~/texmf 辺りに git で最新のツリーを取得しておいて、それでも間に合わないときは今回のように手動で patch をあてる必要だって生じるわけだ。やはり LuaTeX-ja は未だに unstable というか、未だに開発途上にある、と認識すべきなのだろう。

しかし、あと1、2年もしたら、ひょっとしたら pTeX / pLaTeX が主流でなくなる日だって来るかもしれない。EWB が LuaTeX ベースになったり、とかいうことだってあるかもしれない。そう思うと、やはり LuaTeX-ja を使わないわけにはいかないのである。僕はこれから先も、論文や教材を Microsoft Word で書いたりする気にはなれないし、Knuth 氏がこの世を去るときが来たとしても、おそらく TeX を使い続けるだろうから。

Adobe Reader 復活

実は、この何十日かの間、Adobe Reader が使えない状態だった。Linux、特に Debian GNU/Linux (sid) を使っているとしばしばあることなのだけど、今回は libgtk-2.0-0 に関わる不整合があって、長らく Adobe Reader を入れられない状態だった。

しかし今日、午前中にちょっと用事があって外出し、帰ってきてから apt-get の更新をかけたら、GTK 関連のライブラリの更新がかかっていて、問題の libgtk-2.0-0 も更新対象になっていた。これはひょっとすると……と、"apt-get install acroread" とすると、おー、ちゃんとインストールされたよ。何か久々だよなあ。

正直、今回の不整合の問題は長かったし、Adobe が Linux 版の Adobe Reader の更新に熱心でないことなどもあって、『TeX Live を使おう──Linux ユーザと Mac OS X ユーザのために──』の Adobe Reader に関わる記述を削除した方がいいのだろうか、と考えたりもしていたのだったが、もう少しの間はあのままでも問題ない、ということか。しかしなあ。Adobe もどうかと思うよな。Windows 版なんかもう ver.11 だってのに。

備忘録……シンボリックリンク用ツール

TeX の環境を Windows 上で構築する際、シンボリックリンクで苦労することが多い。Windows には MKLINK というコマンドがあって、このコマンドでシンボリックリンクを作成することができるのだが、このコマンドはワイルドカードが使えない。これでは、大量に存在するフォントファイルのリンクを作成する際などに不自由なことこの上ないわけだ。

で、ふとネットを彷徨っていたところ、こんなものを発見:

Link Shell Extension

まだ検証していないのだが、一応メモ代わりに書いておくことにする。

で、早速使ってみた。エクスプローラ上で簡単にシンボリックリンクやハードリンクが作れる、というものだったのだけど、これが困ったことに、C:\Windows\Fonts に関しては使えないんだな……これじゃあ TeX のセットアップでの旨味はないに等しい。結局バッチファイルを書いて MKLINK でリンクを張ったのだった。

Profile

T.T.Ueda
Tamotsu Thomas UEDA

茨城県水戸市生まれ。

横山大観がかつて学んだ小学校から、旧水戸城址にある中学、高校と進学。この頃から音楽を趣味とするようになる。大学は、学部→修士→博士の各課程に在籍し、某省傘下の研究所に就職、その2ヵ月後に学位を授与される(こういう経緯ですが最終学歴は博士課程「修了」です)。職場の隣の小学校で起こった惨劇は未だに心に深く傷を残している。

その後某自動車関連会社の研究法人で国の研究プロジェクトに参画、プロジェクト終了後は数年の彷徨を経て、某所で教育関連業務に従事。

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