激突!

……と言えば、スピルバーグの出世作だが、今回の話はそれに比べたら、誠にショボい話である。しかしだ。こちらにしてみたら、命の危険を感じたんだから、これはこれで大変な話なのだ。

今日は職場で作業をする必要があって、いつもより早めに家を自転車で出た。職場までは直線距離にして 6 km 離れている。これを往復するのが、僕にとっての貴重な運動なのだけど、運動という以外にもその意義はちゃんとある。公的交通機関を使用する人々の呆れた行動にいらいらせずに済むし、病気の人との接触も回避できる。心身の健康と安全にとって重要な意味があるのだ。

僕はいつものように車道の端を走っていた。道交法によれば、歩道の幅が 3 m 未満の場合、自転車は路側帯を走る義務がある。当然だけど、交通法規は遵守するよう努めているので、今日も路側帯を走っていたわけだ。

で……何年か前までストリップ小屋のあった角でのこと。角を目前にして、左折レーンに停車している車があったので、その右側を抜けるため、左折車線の右端の方を通った。当然だけど、このレーンの後方から車が来ないことは確認済だったし、レーンの縁はオレンジのライン……つまり車線変更禁止のエリアだったから、そういう動きをしたわけだ。当然だけど、こちらは車線をはみ出してはいない。

すると、隣の車線の後方から黒いクラウン……最新のものか一つ前のもの位だと思う……が猛烈にクラクションを鳴らしながらこちらを追い抜いた。しかもこちらに幅寄せをして。今思えば、このときにナンバーを確認しなかったことが不覚だったのだけど、こちらはもう、カチーン、ときてしまったわけだ。

イラっとすればこちらのペースは上がる。しかもこんなときに限って、黒クラウンの車線は混んでいたらしく、次の信号で僕は追い付いてしまった。毛染めで有名な某会社の本社の前辺りのことだ。いつもだったらここから、今通ってきた道の右サイドの幅広の歩道に移るのだけど、路側帯側に人が多かったので、信号待ちで停車している左折レーンの車の右側に沿うように、僕は目前の横断歩道に自転車を進めた。つまり、停まっている黒クラウンの左側に寄るように走り抜けたわけだけど、これが黒クラウンのドライバー……まあ先に書いたようなことをやらかす輩だからお脳の程度は知れているんだろう……にとっては、自分を挑発しているように映ったのかもしれぬ。

右側の歩道に移った僕が後ろを確認すると、その黒クラウンが他の車を押し退けるようにして右折してくるのが見えた。何だ、これ、ひょっとして僕を追ってきている? その予感は的中した(なんでやねん)。そいつは窓を開け、「おらぁ」とこちらに怒号を浴びせてきたのだ。おいおい……

こんなことをする時点で、もうこいつがマトモな輩でないことは確定だ。デカいクラウンを捩じ込んで追ってくるんだから……僕は一方通行の路地に逃げ込んだ。当然だけど、そこには入ってこられない。入ってきたら、即行でケータイで110番するつもりだった。1、2分程待ってみるが、周囲に車の動く気配もなさそうだ。やれやれ、何なんだろう……と、2車線の道路に出ようとしたら、目前をその黒クラウンが通り過ぎた。はいはい、アンタが何処を目指しているのか知らんけど、もう俺の人生に関わらんといてくれ……溜息をつきながら、目前の角を抜けた。

角を抜けると、目前は6車線の太い幹線道路だ。この横断歩道を渡った先には、並木の植えられた、閑静な住宅街の道路が続いている。やれやれ、普段はここは通らないんだけど、クールダウンがてら行きますか……と、入ったそのときである。後ろからまた黒クラウンが追ってきたのだ。

焦って周囲を見渡すが、なにせ閑静なので人も車もいない。ドライバーはまた窓を開け、オラオラ言いながらこちらに迫ってくる。しかし、だ……この道にはかなりガッチリしたガードレールが設置してあるので、黒クラウンは直接こちらに車をぶつけることはできない。僕はU ターンして、その路地と並行するもっと細い道に入った。実はこちらは僕が通勤に使う道なのだけど、そこから職場の近くに出るまでの間、黒い車が近くに来る度に、あいつじゃないか、と思うと、もう気が気ではなかった。まあ、あまりに無茶苦茶なことをされるようだったら、さっくり警察を呼ぶ気でいたのだけど(とにかく、こちらには何一つ非はないんだから)、馬鹿は常識では考えられないことをするものだ。警戒するに越したことはないだろう。

かくして、普段の数分遅れで職場に到着した。クールダウンするのに骨が折れた……ああ、しかし、ナンバーさえ見ていたならば!絶対に通報したものを。いやはや、酷いめにあった。まあ……クラウンって、そういう車だよなあ。まだヤのつく自由業の方々のベンツとかの方が落ち着いている。あんな車に乗ってブイブイいわしてる奴には、はなっから近付かないようにしていたんだけどなあ。あれでは、こちらとしてはどうしようもないわけだ。

横並び、ああ厭だ厭だ厭だ

前にも書いた通り、愛知県人というのは横並びが大好きである。そして、そういう己の傲慢さを他者に糾弾されると、大抵「あ」しか言わない。本当に、これにはおそらくこの地に居る間決して慣れることはないだろうと思うのだが、これに関して何度も何度も書いていると、Thomas がさも陰険な輩のように思われそうだから、今日一日の話を書くことにする。

最近は、所属教会の阿呆な連中(誰かって?ああ、たとえば、神学校をドロップアウトしたのに、それを恥じようともせず、従者の服着て肩で風切ってる60過ぎのオッサンとか、東日本大震災から丁度1年経った日なのに、追悼ミサよりも建堂周年記念パーティーを優先する運営委員会の連中とか、まあ枚挙に暇がありませんよ)と顔を合わせるのが厭なので、日曜午前のミサに行かず、代わりに土曜の夜のミサに行くことにしているので、日曜は時間が空いている。勿論休憩にあてるわけだけど、今日はたまたま速達を出しに郵便局に行かなければならなかったので、午前中に自転車で家を出た。すると……数分もせずに、早速出喰わした。横並びである。

家族連れ数人が、見事に横一列、隙間も開けずに、徳川園の入口近くの四つ角辺りを僕と反対向きに歩いている。距離が縮まってくる。僕は避けようもないのでそのまま、歩道の車道側に貼り付くように自転車を進める。一向に避ける気配はない。僕の進路の延長線上に居るのは家族の母親のようだ。こちらの存在に明らかに気付いているのに、一向に動く気配がない。

思わず舌打ちが出る。そのまま数メートルまで距離を詰めたとき、見かねたのだろう、横の中学生位の娘が母親の袖をぐい、と引っ張った。母親は死んだ魚のような目で僕を横目に見ながら、そのまま娘に引かれて斜めに進んでいった。

はあ、何なんだろうなあ、と思いながら、九重部屋が名古屋場所のときに泊まる大きな禅宗の寺の前に差しかかったとき、今度は目前に歩きスマホの男だ。これまた、一向に避ける気配もない。仕方がないからこちらが避けたけれど、厭な気分だけが強まってくる。

大きな道路の交差点にさしかかると、今度は横断歩道の自転車レーンを平然と歩いてくる歩行者がいる。こちらは避けずにそのまま直進する。こちらの存在と視線に気付いたのだろうか、のろのろと横断歩道の縁に移動する。思わず再び舌打ちが出てしまう。

その後、郵便局で速達を出して、帰りに酒の量販店に寄ってモルトを買ったりしたわけだけど、結局家に着くまでに、先のようなことがあと2、3度続くわけだ。いやはや、どうして僕は、ちょいと郵便局に行くだけでこんなめに遭わなきゃならないんだろうか。

で、夕刻、卵がなかったことに気付いて近所のスーパーで買い、袋をハンドルに吊るして帰りの道を自転車で走っていたわけだ。この道は歩道の車道側に自転車レーンが設定されているのだけど、やはりそこに歩行者が堂々と歩いているのに閉口する。はー、と溜息をついたそのときである。目前から、無灯火で横並びになって、自転車レーンを一杯に塞ぐようにして走ってくる中学生位の女性二人組がいるのに気付いた。慌てて停まろうとするが、向こうは停まる筈もなく、そして避ける筈もない。ハンドルに吊るした袋に、二人のうちの一人が接触した、ガシャ、と音が立つ。そして「あ」。僕はもはや抗議する気力も失せて、舌打ちをひとつ鳴らして自転車を発進させた。

幸いなことに、結局卵は割れていなかった。最近の卵のパッケージは大したものだ。昔は笊を持って買いに行くものだったのにねえ(って、僕はそんな世代じゃないけれど)……それにしても、どうしてこうなんだろう。どうしてこの辺の人達は、ああも横並びで平気なんだろう。ああ、厭だ厭だ厭だ。本当に厭になるよ。

使えない

某所で、反復学習の重要性を各人に認識してもらいたい、ということで、エビングハウスの忘却曲線の話を掲示したらいいんじゃないか、という話が出た。内々の話なので、まあその辺で公開されている画像ファイルを使わせてもらおう、ということになって、僕は以下の2つの画像を探してきた:

0.jpg1.jpg
さあ、ここで問題である。掲示するならば、どちらの画像を使うべきか?

当たり前の話なのだけど、我々は別に忘却曲線に関して知ってもらうためにこれを掲示しようとしているわけではない。あくまで、反復学習の重要性を意識してもらいたいから、掲示しようとしているわけだ。そういうことで考えたら、当然掲示すべきは後者だろう。まさか、そんなことを殊更に言わずとも、そういうことは共通認識としてある筈だ……と、愚かにも僕はそう思ってしまっていたのだ。

で、同じ職場の某氏が、掲示物作りましたー、と言って、十何部もラミネート処理して持ってきたのを見ると……いやー驚いた。全部最初の方の画像なんだな。まあ、一番無難なのは両方縦にでも並べて印刷すりゃあいいんだろうけれど、とてもそんな次元ではない。即座に「これじゃ掲示する意味ないだろう」と言うと、反省しているかのような沈鬱な表情を作って俯くだけ……いや、そんなのは猿回しの猿だって仕込めばやることだろう。人間に仕事頼んでるんだから、人間としてのインテリジェンスを何故発揮してくれないのか……ああ、使えないなあ。

Profile

T.T.Ueda
Tamotsu Thomas UEDA

茨城県水戸市生まれ。

横山大観がかつて学んだ小学校から、旧水戸城址にある中学、高校と進学。この頃から音楽を趣味とするようになる。大学は、学部→修士→博士の各課程に在籍し、某省傘下の研究所に就職、その2ヵ月後に学位を授与される(こういう経緯ですが最終学歴は博士課程「修了」です)。職場の隣の小学校で起こった惨劇は未だに心に深く傷を残している。

その後某自動車関連会社の研究法人で国の研究プロジェクトに参画、プロジェクト終了後は数年の彷徨を経て、某所で教育関連業務に従事。

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