"Mother's Taste" or "Taste of Mommy" ?

英語というと、時々イタい表現に出喰わすことがある。その度に、自分はこういうことをしていやしないか、と思い、他人事とは思えず冷や汗が出るわけだけど、同時に何とも腹立たしい気分になることもあるわけだ。

先日も、ある中学生の英語の話を聞いていたら、「食事の会話」なる単元で出てくるらしき Please help yourself. を平然と Please eat yourself. と宣うた。これなどは、自分は正しいと確信していて、テメエの書いたものを確認する為に読み返しすらしないせいで発生するのだろう。莫迦に限って傲慢なものである。

で、思い出した話。これはここにも以前書いた話なのだけど、豊中に住んでいたとき、近くに開店したケーキ屋の看板にこう書いてあったことがあった。

Taste of Mommy
うーん。これってどう考えても "Mother's Taste" のつもりで書いてるわけだろう。きっと "Taste of Honey" 辺りが頭にあって、そこからの連想でこう書いたのではないかと思うんだが、本来企図するニュアンスと異なる(incest or cannibal)ニュアンスが喚起されるのではなかろうか……

ところが、ここになんと後日談が出現したのだ。2017年に韓国で『엄마의 맛』という原題の映画が公開されたそうなのだが、その英題が "Mother's Taste" というらしい。いつまで観られるか分からないが、youtube にある動画のリンクを張っておく。

これを見ると明らかなのだけど、いわゆる "Growing Up" Movie の類いで、若い継母と筋肉ムキムキの息子の間の雰囲気が何やら怪しく……みたいな、そういう映画のようである。悪いがまあ大した映画ではなさそうだ。

辞書を引くと、엄마 = mom, 맛 = flavor らしいので、"Mom's Flavor" とか、それこそ "Taste of Mommy" にしておけば良かったものを。先のケーキ屋の場合と逆の一例といえるだろう。

Profile

T.T.Ueda
Tamotsu Thomas UEDA

茨城県水戸市生まれ。

横山大観がかつて学んだ小学校から、旧水戸城址にある中学、高校と進学。この頃から音楽を趣味とするようになる。大学は、学部→修士→博士の各課程に在籍し、某省傘下の研究所に就職、その2ヵ月後に学位を授与される(こういう経緯ですが最終学歴は博士課程「修了」です)。職場の隣の小学校で起こった惨劇は未だに心に深く傷を残している。

その後某自動車関連会社の研究法人で国の研究プロジェクトに参画、プロジェクト終了後は数年の彷徨を経て、某所で教育関連業務に従事。

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