名前が変だと子供がねじれる?

知っている人は皆知っているけれど、僕の名前は「たもつ」という。いわゆるキラキラネームではないけれど、まあ珍しい名前なのは確かだろう。

思えば、小学校の頃から、何かで賞状を貰う度、卒業証書を貰う度、名前の横には鉛筆でルビがふられていたものだ。貰うとまずそれを消しゴムで消すわけだ。生まれて初めて、何もなしで僕の名前を読んでくれたのは、何と阪大の総長だった。学位授与式でのことだったけれど、このときばかりは本当に嬉しかった。よりによって、この手の証書を貰うおそらく最後の機会に、ようやくちゃんと読んでもらえたのだから。

まあ、その話はどうでもいいんだけど、今回の話は、朝霞市で二年前に行方不明となり、つい先日中野区で保護された15歳の少女を連れ去り、監禁していたとされる寺内容疑者に関して、ネット上で見かけたこんなコメントについてである。

「「かぶ」って読むんか…そりゃどこかねじれるわ。カブが車庫にたくさんある職場とは関係ないと思いたい」

もしこれが当たっているならば、おそらく僕の方が余程反社会的な生活をしていなければならないのだけど、一応これでも社会の中でちゃんと生きている、つもりである。それどころか、僕がこうやって生きていけるのは、おそらくは自分の名前のおかけだ、と思っているのである。

どういうことか。僕の名前を聞いた人は、皆それぞれにそれぞれの反応を示すわけだけど、それを見ていると、その人がどういう人かが実によく分かるのだ。特に、人としての浅さ、薄さとでもいうべきものは、実によく見てとれる。だから、僕は生まれながらに、人を見分ける試金石を持たされているようなものだ、と思っているのだ。

小学校の頃だったけど、読書感想文か何かで賞状を貰うことになって、学年集会で学年主任が僕に手渡すことになった。その学年主任は、壇上に上った僕の目前で、名前を読みながら、
「えーと、かんって読むのかな?」
と聞いた。たまたまその日の賞状にはルビがふられていなかったのだ。同級生達は、僕の名前のことを皆よく知っているわけで、この教師が読み間違えたのを見て皆で笑った。すると……この教師は烈火の如く怒り、こう言ったのだ。
「何だ君達!失礼じゃないか!」

はい、ダーウト。失礼なのは読み間違えたアンタの方だろうが。何逆ギレしてるんだよ。同級生に怒鳴る前に、俺に何故謝らない。結局は俺のことなんか何も考えていない。笑われたのが自分だということをよく分かっていて、いたたまれなくなっただけだろうが。なるほどねえ、この人はこういう風にするんだね……

ということで、難読名を持つと、むしろねじれないものだと思うんだよな。もしねじれるとすれば、名前をあげつらう連中の心ない言葉のせいだと思うし、上に引用したコメントをした奴も、確実にそれに加担しているのだ。アンタの言う通りだとするならば、そういうモンスターを生み出すことにアンタ自身が加担しているんだよ。

2016/04/02(Sat) 00:43:55 | 日記
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T.T.Ueda
Tamotsu Thomas UEDA

茨城県水戸市生まれ。

横山大観がかつて学んだ小学校から、旧水戸城址にある中学、高校と進学。この頃から音楽を趣味とするようになる。大学は、学部→修士→博士の各課程に在籍し、某省傘下の研究所に就職、その2ヵ月後に学位を授与される(こういう経緯ですが最終学歴は博士課程「修了」です)。職場の隣の小学校で起こった惨劇は未だに心に深く傷を残している。

その後某自動車関連会社の研究法人で国の研究プロジェクトに参画、プロジェクト終了後は数年の彷徨を経て、某所で教育関連業務に従事。

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