珈琲と私

最近は世間でもかなりレギュラーコーヒーが定着している、と思うのだけど、豆を家で挽くというのはどうもかなりの少数派になってしまったのだろうか。以前はスーパー等でも挽いていない豆を買うのに困ることはなかったのが、最近は、たとえば家の近所のマックスバリュに行くと、挽いていない豆は1種類しかない。他は良い豆だと謳っているものであっても皆粉なのである。これはないよなあ。

あと、ミルに関しても、何かおかしなことが定着しているのかなあ、と思わされることがある。たとえば、知り合いのやっているバーでの話なのだが、ここはこの辺りでも1、2を争う有名なバーで、アイリッシュコーヒーを注文すると、実に恭しく所作を見せながら作ってくれるようだ。僕は自分で頼むことはない(アイリッシュコーヒーは家で飲むものだという意識が強いので)のだけど、そういうことをやってもらうのが、もしくはそういうことをやらせるのが好きな客というのがいて、鼻高々で連れに説明しながら作ってもらっているのに出喰わすことがある。で、豆も一から挽きますよ、と出してくるミルがカッター式なわけだ。それってどうなのよ。そこまで拘るなら臼歯のミルじゃなきゃ、バランスを著しく欠いていると言わざるを得まい。ハンドミルでやりゃいいだろうにさ。

では、僕はどのようにコーヒーを飲んでいるのか。いや、別に何も変わったことはしていないんですよ。何も。豆は挽いていないものを買い、冷凍保存してある。冷凍も良いことばかりではなくて、取り出したときにぐずぐずしていると湿気を付けてしまうことになるので、小さなジップロック等に分けて保存して、使う分を素早く取り出すようにした方が良いだろう。で、それをハンドミルで挽く。ハンドミルは高速回転できないので、ほぼ全ての製品で臼歯を使っている。僕の使っているカリタのクラシックミルで \3,000 位だが、同じカリタでも円筒形の KH-3 なら \2,000 もしない。

挽いた粉は、大部分が設定された歯の間隔に応じた粒径になっているけれど、ごく一部が細かい粉になっている。これを除けてしまう人が多いようなのだけど、僕の場合は分けずにそのまま使う。以前は普段はドリップ、時々エスプレッソだったのだけど、最近はフレンチプレスを使っている。フレンチプレスは細かい粉を除去できないのだけど、それがコーヒーの風味を強くするので、欠点を逆手に取って使っているわけだ。やや多めの挽きたての粉を入れ、上からクルクルと円を描きながら熱湯を注ぐ。上面に細かい泡が厚めに立つのだけど、その泡を潰していくように注いで、それから4〜5分待って、ストレーナを上から突っ込んで、はい、出来上がり。マグカップに牛乳を注いで、上からそのコーヒーをダバダバ……と、まあ乱暴なカフェラテにするわけだ。毎日飲むコーヒーはほとんどこれ。

ブラックで飲みたいときにはドリッパーを使うこともあるけれど、これもあえて紙を使わず、金メッキされたメッシュを使ったドリッパーを使う。これも一番細かい粉を除去できないので、それを逆手に取って強い風味のコーヒーを淹れているわけだ。

たったこれだけのことなのだけど、安価に手軽に美味しいコーヒーが飲める。例えば、僕の母は昔からレギュラーコーヒーしか飲まないのだけど、母の場合は近所の喫茶店等で煎りたての豆を挽いてもらったものを少量づつ買って使っている。それぞれのやり方の中で、酸化した豆のイーッとくる嫌な味を避けるための工夫をしているわけだ。工夫はほとんど金がかからない。しない手はないと思うんだけどなあ。世間の人達は高いコーヒーメーカーとか買ってるんだろうに、金を出してわざわざマズい飲み方をしているのだろうか。こう、粉しか見かけないのを見ると、不思議で不思議でならないのだ。

2016/05/03(Tue) 12:12:24 | 日記
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T.T.Ueda
Tamotsu Thomas UEDA

茨城県水戸市生まれ。

横山大観がかつて学んだ小学校から、旧水戸城址にある中学、高校と進学。この頃から音楽を趣味とするようになる。大学は、学部→修士→博士の各課程に在籍し、某省傘下の研究所に就職、その2ヵ月後に学位を授与される(こういう経緯ですが最終学歴は博士課程「修了」です)。職場の隣の小学校で起こった惨劇は未だに心に深く傷を残している。

その後某自動車関連会社の研究法人で国の研究プロジェクトに参画、プロジェクト終了後は数年の彷徨を経て、某所で教育関連業務に従事。

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