もう戻れない

皆さんは、普段音楽を聴く際に、どのような形態で聴かれているだろうか。最近は、ほとんどの方が iPod や Walkman、あるいは携帯電話などを端末としてサウンドファイルを再生するかたちで音楽を聴かれていると思う。

僕も、ほぼ全ての場合においてこのようなかたちで音楽を聴いている。外で聴くためには iPod classic に AKG K314P を接続して使っているし、家ではパソコンに TASCAM US-144 を接続して、そこに SONY MDR-CD900ST を突っ込んで使っている。しかし、ここで問題になるのは、聴くためのサウンドファイルをどういう形式にしているのか、という点である。

残念なことに、僕はどうも耳のつくりがいいらしいので、圧縮ファイル、たとえば MP3 とか MPEG-4 AAC とかのフォーマットのファイルを聴いていると、WAV に代表される非圧縮ファイルを聴いているのと明確に区別がついてしまう。僕のようにロックを聴いている場合、圧縮フォーマットはハイハットの音と残響音を致命的に変質させてしまうので、もし圧縮ファイルと非圧縮ファイルを同一の再生環境で再生した場合、おそらくは皆さんでも(慣れれば)区別はつくと思う。

それでも、ハードディスクが逼迫するので、今までは MPEG-4 AAC で圧縮をかけたファイルを iTunes library に突っ込んで聴いていたのだけど、もうどうにも我慢できなくなってきたのである。何が我慢ならないって、僕の iTunes に入っている自分の曲を聴いているときである。圧縮ファイルが再生する音は、僕が苦心惨憺したミックスダウンの音と明確に違うのだ。あー!もう我慢できない!

ということで、山下達郎の "POCKET MUSIC" など、いくつかのアルバムを WAV 形式で入れ直した。先程聴いてみたのだが、そうそう、こんな音でしたよ。あのスッカスカの音は何だったんだ?と思うほどに違う。もう、将来的には、現行の iPod classic みたいに100数十 GB のメディアを載せた携帯プレイヤーに、こういう非圧縮のフォーマットのファイルを入れて聴くことになるんだろう。もう、僕は戻れないのだ。

2010/10/21(Thu) 23:46:17 | 音楽一般
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T.T.Ueda
Tamotsu Thomas UEDA

茨城県水戸市生まれ。

横山大観がかつて学んだ小学校から、旧水戸城址にある中学、高校と進学。この頃から音楽を趣味とするようになる。大学は、学部→修士→博士の各課程に在籍し、某省傘下の研究所に就職、その2ヵ月後に学位を授与される(こういう経緯ですが最終学歴は博士課程「修了」です)。職場の隣の小学校で起こった惨劇は未だに心に深く傷を残している。

その後某自動車関連会社の研究法人で国の研究プロジェクトに参画、プロジェクト終了後は数年の彷徨を経て、某所で教育関連業務に従事。

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