"The Dismissal"

以前の blog でザウアーブルッフにふれた際、『大外科医の悲劇』の英語版を注文した、という話を書いた。特急便で注文したわけではなかったので、手元に届くのには時間がかかると思っていたのだが、今日、めでたくアメリカから届いた。

この本はもともとドイツ語で書かれていて、その題名は "Die Entlassung" という。英訳版の題名はこの blog のタイトルでもある "The Dismissal" で、まあ直訳である。意味は……この場合は「解雇」「解任」「免職」と、この辺りだろうか。ザウアーブルッフがシャリテ(フンボルト大学ベルリン付属の病院)外科教室主任教授の職を辞職……実際は限りなく解雇に近いのだが……する場面から話が始まるので、このような題名になっているのだろう。

もちろん、古本の洋書を買うのは今回が初めてではないのだが、とにかく今回の本は程度が非常によろしい。ハードカバーということもあるのだけど、本の状態は軽い棚擦れがある位である。原著 "Die Entlassung" が出たのが1960年ということは知っていたのだが、この英訳版が出たのはいつか……と奥付を見ると、1961年と書かれている。

洋書の古書を買うとよくあるパターンなのだけど、この本も、学校の図書館の蔵書だったものが、書庫整理などの際に売りに出たものである。裏表紙の裏面を見ると、今はほとんど見ることのない図書カードのポケットがあり、カードも挿されたままになっている。見ると……貸出履歴は2件、1965年の1月2日と5月20日(!)とある。これから推測するに、この本は出版されて程なくしてこの学校図書館で購入されたものの、なんと2人しか借りる人がないままに在庫整理で売りに出され、僕の手元にやってきたものだ、ということらしい。

この本を売ってくれたのは amazon.com の提携業者で、その業者はアメリカ・ケンタッキー州にある。この本の出元が知りたくて、あちこち引っくり返していたら、

LIBRARY
MODEL LABORATORY SCHOOL
というゴム印が捺されているのを見つけた。駄目元で検索してみると……発見!
EKU Model Laboratory School
ここらしい(wiki)。EKU というのは Eastern Kentucky University (wiki) イースタンケンタッキー大学のことだけど、Laboratory School ということは、いわゆる附属学校、ということらしい。日本でも(たとえば「東京学芸大学附属高等学校」のような)大学の附属学校というのがあって、そういう学校では既存の学校とは異なった「実験的教育」を行っていたりするわけだけど、Laboratory School というのはそういう意味である。

この「イースタンケンタッキー大学附属モデル学校」(一応書き添えておくけれど、この「モデル」というのがこの学校の名前である)というのは、web で見ると Kindergarten(幼稚園)、Pre K(幼稚園にあがる前の子供のための学校)、そして1年から12年までの学校、と、要するに「保育園・託児所レベルから高校3年相当まで」の幅広い年齢層を対象にしているようなので、今回僕が購入した本をかつて読んだのがどの辺りの年齢層なのかは知りようがない。しかし、40数年を経て、これ程いい状態の本を9ドル99セントで買えるとは、正直思っていなかった。嬉しい誤算であった。

2011/01/05(Wed) 19:11:13 | 日記
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Profile

T.T.Ueda
Tamotsu Thomas UEDA

茨城県水戸市生まれ。

横山大観がかつて学んだ小学校から、旧水戸城址にある中学、高校と進学。この頃から音楽を趣味とするようになる。大学は、学部→修士→博士の各課程に在籍し、某省傘下の研究所に就職、その2ヵ月後に学位を授与される(こういう経緯ですが最終学歴は博士課程「修了」です)。職場の隣の小学校で起こった惨劇は未だに心に深く傷を残している。

その後某自動車関連会社の研究法人で国の研究プロジェクトに参画、プロジェクト終了後は数年の彷徨を経て、某所で教育関連業務に従事。

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