『バカの壁』の源流

養老孟司氏の『唯脳論』を読み進めているわけだけど、この中に、おそらくは『バカの壁』の源流になったのはこういうことか、と思わせるくだりがある:

言語を用いれば、相手の考えがある程度わかる。なぜか。それは言語を表出する側と、それを聞いている、あるいは読んでいる側で、似たような脳内過程が生じているからである。言語の場合、その類似の厳密性は数学よりも弱い。したがって、数学はより明確に脳の機能を反映する。あるいは、より基礎的な脳の機能を示す。

もっとも、言語も数学も、ある程度を越えると、理解する人の方が減る。つまり、そうした脳内過程には、個体差を越えるほどの一般性が無い。時代によって、同じ考えの理解度が違ってくるのは、教育、つまり環境の問題に過ぎない。江戸期の人に微積分を教えても、いまの人同様によく、あるいは悪く、理解したであろう。

前にこの blog で、Twitter のアイコンに日の丸を入れている輩をコキおろしたときに、余程癇に障ったのか、「バカの壁」とだけ書いてリンクを張った輩がいたけれど、そう、それこそがバカの壁である。ただし、そういうことだけ書いているというのは、これは自らの脳内過程を表出する術に尽きたのだ、と言われても仕方あるまい。そう、壁があるのは件の輩の脳の内なのである。

2011/02/05(Sat) 23:24:52 | 日記
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T.T.Ueda
Tamotsu Thomas UEDA

茨城県水戸市生まれ。

横山大観がかつて学んだ小学校から、旧水戸城址にある中学、高校と進学。この頃から音楽を趣味とするようになる。大学は、学部→修士→博士の各課程に在籍し、某省傘下の研究所に就職、その2ヵ月後に学位を授与される(こういう経緯ですが最終学歴は博士課程「修了」です)。職場の隣の小学校で起こった惨劇は未だに心に深く傷を残している。

その後某自動車関連会社の研究法人で国の研究プロジェクトに参画、プロジェクト終了後は数年の彷徨を経て、某所で教育関連業務に従事。

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