焼け石に水

福島第一原発の冷却に、ヘリでホウ酸水を投下するということが真剣に討議されているのだ、という。メディアでも「切り札」と書いている。いや、でも、ちょっと待ってもらえませんかね?

そもそもヘリにどれ位の重さのものが積めるのか、皆さんご存知なのだろうか?たとえば自衛隊が持っているヘリで最も大型のもの、というと、おそらく CH-47 チヌークだと思うけれど、資料を見てみると、CH-47D の最大積載量は 8 t を少し切る位である。8 t というと、さぞたくさん積めるかのように思われそうだけど、体積にしたらたかだか 8 m3 に過ぎない。

しかも、航空機からの投入、というのは、投入量の全てが有効に炉内、あるいは容器内に入るわけではない。仮に 100 回投入を行ったって、効率 10 %(これだって大甘の予測であるが)で 80 t である。これが有効な方策だと、本気で政府は考えているのだろうか?

これだったら、発電機と燃料を空輸する、あるいはポンプを空輸する方が余程現実的である。何かやれば努力しているかのように見えるかもしれないし、おそらく政府もそれを期待しているのかもしれないけれど、本当に必要なのは有効な対処を行うことであるし、時間もチャンスも限定されているならば、それが最大効率で機能するように考えるのが、政府のお偉方の仕事なのである。それをもし放棄して、大衆に頑張っているように見えることを重視しているのだとすれば、「そんな馬鹿はさっさと死んでくれ」という話である。

2011/03/16(Wed) 16:08:58 | 科学

Re:焼け石に水

服に鉛シートを貼る、あるいは鉛製のパンツみたいなものを作って上から嵌め込む(なんか『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』みたいですけど)というのは、僕は悪くないアイディアだと思います。おそらく製品として作られていないのは「耐久性がない」とか「重くて作業性に乏しい」とかいうことなんでしょうが、今回のようなケースでは耐久性など優先順位は低いですからねえ。とにかく注水経路を確保することが最大優先事項だったので、早い段階にそういう対処をして人を動かすべきだったんです。それも、あまり若くない人を(これに関しては当ブログ『万死に値する』を御参照下さい)。何かね……全て、遅きに失する、というか。
Thomas(2011/03/19(Sat) 20:32:08)

Re:焼け石に水

僕も本当に焼け石に水だと思いました。

アメリカ在住の日本人デザイナーが考えた案が
MULTIPLYに掲載されてました。
@↓
http://archistrialdesigns.multiply.com/photos/album/30/30

A↓
http://archistrialdesigns.multiply.com/journal/item/51/51

放水するなら、この順序は有効だと思いましたね。
災害対策デザインとでも言うのかな?
JIM(2011/03/19(Sat) 20:04:44)

Re:焼け石に水

テレビで自衛隊ヘリでの放水を見てましたが、ほとんど入ってませんでしたね。
消防用ホースを連結して海からポンプで継続的に放水した方がよほど効果的だと思うんですが、何故しないんでしょうかねぇ。
使用済核燃料に対する政府の対処は国民に対するポーズにしか見えないです。
使用済核燃料に関してはそのうち解決するからと楽観してるようにも見えます。
まぁ、来週降る雨で収束に向かうのかもしれませんが・・・
ChonUnkokusai(2011/03/18(Fri) 00:52:28)
Tittle: Name:

Profile

T.T.Ueda
Tamotsu Thomas UEDA

茨城県水戸市生まれ。

横山大観がかつて学んだ小学校から、旧水戸城址にある中学、高校と進学。この頃から音楽を趣味とするようになる。大学は、学部→修士→博士の各課程に在籍し、某省傘下の研究所に就職、その2ヵ月後に学位を授与される(こういう経緯ですが最終学歴は博士課程「修了」です)。職場の隣の小学校で起こった惨劇は未だに心に深く傷を残している。

その後某自動車関連会社の研究法人で国の研究プロジェクトに参画、プロジェクト終了後は数年の彷徨を経て、某所で教育関連業務に従事。

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