下棒の付いた T

奥村氏の TeX Q & A で出ていた質問について。

質問者は、数式モードで \mathcal 字体を使いたいらしいのだが、調べているうちに、この字体の "T" に、下端に棒のあるものとないものがある、ということに気付いたらしい。以下にその二者を:

mathcal-old.pngmathcal-new.png
問題の部分を拡大して赤で囲んだものを以下に示す。
mathcal-oldT.pngmathcal-newT.png

この違いは、実は Knuth が(彼の言うところによると、最後の)Computer Modern Fonts の改良をした結果である。詳細に関しては彼の書いた:

http://www-cs-faculty.stanford.edu/~knuth/cm.html
およびその試訳:
http://www.fugenji.org/~thomas/texlive-guide/knuth-message.html
を御参照いただきたい。

TeX Q & A での質問者はあっさり引っこんでしまったようだけど、この筆記体大文字というのは、結構悩ましいところかもしれない。演算子等にこういう記号を使うときには、やはり好みを反映させたいだろうからだ。

実は、このような筆記体大文字のフォントを手近で探すと、Microsoft Office にバンドルされている Monotype Corsiva や、Mac OS にバンドルされている Apple Chancery(以前は dfont 形式のファイルしか入っていなかったようだが、10.6 と 10.7 では TrueType フォントが入っているのを確認済)を見つけることができる。そして、これらの T はいずれも下棒が付いているのである。

mathcal-old.pngmathcal-new.png

だから、TeX に対して原理主義的でないのならば、実はやり様があるはずなのだ。Knuth だって、あくまで Computer Modern Fonts の話をしているわけだし……しかし、この辺のフォローはなされているように思えないので、ここに書いておく次第である。

2011/11/24(Thu) 13:21:09 | コンピュータ&インターネット
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T.T.Ueda
Tamotsu Thomas UEDA

茨城県水戸市生まれ。

横山大観がかつて学んだ小学校から、旧水戸城址にある中学、高校と進学。この頃から音楽を趣味とするようになる。大学は、学部→修士→博士の各課程に在籍し、某省傘下の研究所に就職、その2ヵ月後に学位を授与される(こういう経緯ですが最終学歴は博士課程「修了」です)。職場の隣の小学校で起こった惨劇は未だに心に深く傷を残している。

その後某自動車関連会社の研究法人で国の研究プロジェクトに参画、プロジェクト終了後は数年の彷徨を経て、某所で教育関連業務に従事。

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