latex2html

僕は普段は HTML document は一からテキストエディタ(ほとんどの場合は Emacs)で書く。テンプレート代わりに使えるファイルがいくつか手元にあるのを使うことはあるけれど、この場合も例によって例の如くマクロや統合環境のようなものは使わない。この blog は少々楽をさせてもらっているけれど、これにしたって各エントリ内のタグは全て手で書いている。

TeX / LaTeX で書いた文書を HTML 化するとき、あるいはその逆のときには、変換用のフィルタをいくつか書いてあるので、これをその都度モディファイして変換処理をする。だから、latex2html の存在は(おそらく登場したばかりの頃から)知ってはいるわけだけど、あまり使うことがなかった。

昨日のことだけど、毎度おなじみの TeX フォーラムで、latex2html に関する質問が放置されているのに気付いた。このサイトに集まっている人々は(voluntary なものだから誰かを責める気はないけれど)自分達の興味があれば trivial なネタに溢れんばかりの情熱を注ぐのに、自分の興味のないものに関しては放置する傾向が強い。まあ、最近の patch の状況とかもあるだろうしなあ、と、丁度いい機会だったので、自分でも調査がてら install してみることにしたのだった。

latex2html の開発状況は、2002 年までは比較的活発だったようだが、現時点では 2008 年にリリースされたバージョンが最新である。日本語で書かれた文書を処理するためには、新潟工科大学の竹野茂治氏が作成・公開されている patch を適用する必要がある。

これはおそらく Google のせいだと思うのだけど、「latex2html 日本語」などのキーワードでググると、検索順位の最上位に来るのは:

http://takeno.iee.niit.ac.jp/~shige/TeX/latex2html/ltx2html.html
である。ここを斜め読みしていると読み飛ばしてしまうのかもしれないが、上記 URL の文書内に、『開発版の日本語化パッチのページ』:
http://takeno.iee.niit.ac.jp/~shige/TeX/latex2html/current/l2h-current.html
という文書へのリンクがされていて、こちらの方で latex2html-2008 に適用するための patch が公開されている。

これを書いている時点で、上記リンク先で公開されているアーカイブを展開すると、2種類の patch が出てくる。

  • l2h-2K8-jp1.10b2.13.patch
  • l2h-2K8-jp2.1b1.13.patch
というファイルなのだけど、jp1 の方は nkf をフィルタとして使うように書かれていて、jp2 の方は日本語のコード変換をしないように書かれている。竹野氏の書かれている文書によると、いわゆるシフト JIS を使うシステムの場合、nkf を通さないと変換がうまくいかないケースがあるので、この2種を同梱されているようだ。

手元の端末に l2h-2K8-jp2.1b1.13.patch を適用・インストールを行った際のログにリンクしておく。まあ、他には特に注意すべきことはないと思うのだけど……先の質問を書かれた方は未だうまくいかないと書かれている。うーん。こちらでは呆気なく使えるようになってしまっているのだが……

2012/01/06(Fri) 13:37:02 | コンピュータ&インターネット
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T.T.Ueda
Tamotsu Thomas UEDA

茨城県水戸市生まれ。

横山大観がかつて学んだ小学校から、旧水戸城址にある中学、高校と進学。この頃から音楽を趣味とするようになる。大学は、学部→修士→博士の各課程に在籍し、某省傘下の研究所に就職、その2ヵ月後に学位を授与される(こういう経緯ですが最終学歴は博士課程「修了」です)。職場の隣の小学校で起こった惨劇は未だに心に深く傷を残している。

その後某自動車関連会社の研究法人で国の研究プロジェクトに参画、プロジェクト終了後は数年の彷徨を経て、某所で教育関連業務に従事。

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