チャイを淹れる

どうも、最近、え?こんなこと分からんの?みたいな発言をしてしまうことが多くて困る。普通にできるはずのことが出来ない人というのが、僕の予想を超えて世の中には多いものらしい。

標記の件だが、チャイなんて簡単なものだと思っていたのだけど、わざわざフォートナム・メイスンのフレーバリー・ティー(ええ、たしかに「チャイ」という商品がありますけどね)を買わないとチャイを淹れられない、などという人も存在するらしい。あーそう言えばいましたね。ベンツ乗るのにシルバーなんて愚の骨頂、みたいなことを誇らしげにブログで書いていた、かなり太めの女性。また逮捕されたようだけど、彼女はシルバーがドイツのナショナル・カラーだという「基本」も知らなかったらしい。まぁ世の中、そういう手合いが増殖しているんでしょうな。

さて、チャイ(正確には、ここで言っているのは「マサラ・チャイ」という)だけど、そもそもインドで貧富の別なく飲まれているんだから、そう特殊なものが必要なわけではないのだ。必要なのはこんなところだろうか:

  • 茶葉(いわゆるセイロンで結構、贅沢するならアッサム等でもいいだろう)
  • シナモンスティック(ちょっと大きな食材店にはあるものだけど、タイ食材を扱う店で安価に入手できることが多い)
  • クローブ(ホール、普通に市販されているもので一向に構わない)
  • しょうが(これもいわゆる土生姜で構わない)
  • カルダモン(ホール)
ここで重要なのはカルダモン。おそらく「うまくチャイを淹れられない」という方はこれが抜けているのだと思う。

cardamon_f.JPGcardamon_b.JPG

僕が今使っているカルダモンはこういうもの。東急ハンズなどで入手できる。以前は明治屋や成城石井などでも入手できたのだけど、最近このホールのカルダモンを置いている店はどんどん減っているようである。数百円で購入できるので、見かけたら買っておくことをお薦めする。

作り方……こんなもの書かなきゃならんのかね……

  1. ミルクパンに牛乳を入れる。焦げるのを防ぐ目的で牛乳は等量の水を加えるのが一般的らしいけれど、濃厚なものをお望みの方は水なしで。
  2. シナモンスティックは手でねじって軽く砕いて入れる。二人分で3本位が目安か。
  3. クローブは頭をほんの少し火で炙ると香りが立つけれど、煮出すのでその辺はあまり神経を使う必要はない。二人分で5個位が目安か。
  4. しょうがは水洗いして、皮は剥かずにスライスしたもの(強く香りを出したい人は更に細切りしてやるとよい)入れる。二人分で4枚が目安か。新鮮なしょうがは牛乳を凝固させることがあるので、その場合はやや控えめに。
  5. カルダモンは、緑の表皮を剥いて、中の黒い粒を包丁で軽く刻んで加える。二人分でホール3個が目安。
  6. ミルクパンを弱火にかけ、スパイスの香りを牛乳に移していく。この際、砂糖は絶対に加えないこと
  7. 十分に香りを移したところで茶葉を入れて軽く沸騰させ、抽出する。茶葉の量はティースプーン(人数プラス1)杯より多めにし、時間もやや長めにとる方がよい。
  8. 抽出できたところで、精製度の低い砂糖(三温糖やきび糖、茶色いざらめなどがいいだろう)をたっぷり加えて完全に溶かし、火を止めて、茶漉しで漉しながら注ぎ分ける。
ちなみにカルダモンは健胃作用と匂い消しの効果が非常に強いスパイスなので、肉料理、特に煮込み系の料理などに利かせるとすっきりしてよろしい。特にカレーは、カルダモンの利かせ具合が味と胃へのもたれ具合に直結する。たとえば、僕はインドやネパールのカレーを食べることが結構あるのだけど、良心的な店は大概カルダモンをケチらず使っているものだ……だから、そういう店のカレーは食べた後に胸焼けしたりすることがない。そういう意味でも、このスパイスの香りは一度意識して味わうことを是非お薦めする。

2010/02/02(Tue) 15:46:35 | 日記
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Profile

T.T.Ueda
Tamotsu Thomas UEDA

茨城県水戸市生まれ。

横山大観がかつて学んだ小学校から、旧水戸城址にある中学、高校と進学。この頃から音楽を趣味とするようになる。大学は、学部→修士→博士の各課程に在籍し、某省傘下の研究所に就職、その2ヵ月後に学位を授与される(こういう経緯ですが最終学歴は博士課程「修了」です)。職場の隣の小学校で起こった惨劇は未だに心に深く傷を残している。

その後某自動車関連会社の研究法人で国の研究プロジェクトに参画、プロジェクト終了後は数年の彷徨を経て、某所で教育関連業務に従事。

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