こんな夢をみた

土のむき出しになった、山の中のようなところを僕は歩いている。何の集まりかは判然としないのだが、僕は10人程の男女と共にそこを歩いている。何か、サークルのような、あるいはご近所さんの寄り合いのような集まりのような気もするのだが、その正体はわからない。

歩いていると、ふと左脚の親指の先に、何とも言えぬむず痒さを感じた。歩いているのは、土が粘土のように露出した山道である。指の先には小さな傷がある。どうもその中に、何かが入り込んだらしい。僕はピンセットを取り出して、その脚の傷に入り込んだ何かを除去しようと、歩みを止めた。

傷を見ると、何やら赤身がかった細いものの先端が顔を覗かせている。僕はその細いものが動いていること、動くたびに、傷口を中心として、結構深いところまでむず痒さが広がることに気がついて、慎重にその細いものをつまんで、傷口から引っ張り出した。一行の中には、小さな子供がいたようで、その子供が、地べたに座り込んで僕がピンセットを使うのを、興味深げに覗き込んでいる。

細いもの……とは言っても、直径が数ミリ程もある……の先端をつまんで引っ張ると、脚のかなり深いところから、何かがずるずると引きずりだされるような感触を感じた。見ると、傷口からもう十センチ以上も引っ張り出したのに、直径数ミリの赤身がかったそれは、まだ傷口の中から全容を顕にせずにいる。僕は恐怖に戦きながら、ゆっくりとそれを引っ張り出していった。

引きずりだされたものは、長さが数十センチ程もあるミミズだった。しかも、1匹引きずりだしてもまだむず痒さは収まらない。僕は戦慄しながらピンセットで傷口を探った。ようやくむず痒さが収まったとき、僕はピンセットに、長さ数十センチのミミズ二匹をつまんで持っていた。引きずりだされたミミズは、もう蠢くこともなく、まるで紐のようにぶらんとぶら提がっている。

僕はそのとき、これを見物していた子供の一人が、この辺の土着の子であることに気づいた。僕はその子に尋ねた:こういうことはあるものなの?その子は答えた:脚に傷があると、そういうことがあります、と。しかしその子も、他の同行者達も、僕がピンセットでぶら下げているその2匹のミミズを、なぜか見ようとしないのだった。これは何か致命的なことなのではあるまいか。そう思った僕の心には、深い絶望感が広がるのだった。

2010/08/09(Mon) 07:51:34 | 日記
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T.T.Ueda
Tamotsu Thomas UEDA

茨城県水戸市生まれ。

横山大観がかつて学んだ小学校から、旧水戸城址にある中学、高校と進学。この頃から音楽を趣味とするようになる。大学は、学部→修士→博士の各課程に在籍し、某省傘下の研究所に就職、その2ヵ月後に学位を授与される(こういう経緯ですが最終学歴は博士課程「修了」です)。職場の隣の小学校で起こった惨劇は未だに心に深く傷を残している。

その後某自動車関連会社の研究法人で国の研究プロジェクトに参画、プロジェクト終了後は数年の彷徨を経て、某所で教育関連業務に従事。

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