同じ過ち

先日、中国の民主活動家である劉暁波氏にノーベル平和賞が授与されたときに、中国は色々とやらかしてくれた。他国の受賞記念式典への参加に干渉するのみならず、「孔子平和賞」なるものをでっちあげるということまでしてくれた。まったく、あの国のやることは、我々の想像を超えているなあ、と思われた方も多いのではないだろうか。

1935年のこと。ドイツがナチス政権の下にあったとき、ドイツのジャーナリスト・平和運動家であったカール・フォン・オシエツキー氏がノーベル平和賞を受賞することになった。氏は当時投獄されていたのだが、ノルウェー・ノーベル委員会は、ベルサイユ条約に反して軍備拡張を行うドイツを告発した氏に、平和賞を授与した。そして、ナチスはそれ以後、ドイツ人にノーベル賞を受けることを禁止した。

興味深いのはこの後日譚である。アドルフ・ヒトラーは、1937年に「ドイツ芸術科学国家賞 Deutscher Nationalpreis für Kunst und Wissenschaft」なるものを創設した。この賞はドイツ人にとってのノーベル賞の代替物であったわけだけど、そういう話を、最近、皆さんは耳にしなかったろうか?独裁国家の意に沿わない顕彰に対して、国家が何をしでかすのか、ということは、これこの通り、歴史が証明しているのである。そして彼らはどうやら、そんな歴史を学ぶことも、同じ轍を踏むのを避けることも、どうもできない……そういうことのようだ。

2010/12/16(Thu) 17:06:28 | 社会・政治
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T.T.Ueda
Tamotsu Thomas UEDA

茨城県水戸市生まれ。

横山大観がかつて学んだ小学校から、旧水戸城址にある中学、高校と進学。この頃から音楽を趣味とするようになる。大学は、学部→修士→博士の各課程に在籍し、某省傘下の研究所に就職、その2ヵ月後に学位を授与される(こういう経緯ですが最終学歴は博士課程「修了」です)。職場の隣の小学校で起こった惨劇は未だに心に深く傷を残している。

その後某自動車関連会社の研究法人で国の研究プロジェクトに参画、プロジェクト終了後は数年の彷徨を経て、某所で教育関連業務に従事。

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