ヤガラ尽くし

最近、スーパーでヤガラを売っていることがある、という話は聞いていた。しかし、今日、たまたま別件で買い物に出かけたときに、頭を落としてぶつ切りにされたヤガラがトレイひとつ200円で売られているのを見つけて、おいおい……と呟いてしまった。

ヤガラ……ここで言及しているのはアカヤガラのことである……は高級魚である。詳細はWEB魚図鑑のエントリ「アカヤガラ」を御参照いただきたい。非常に長い口を持つ、細長い魚なのだが、刺身にしてよし、焼きものにしてよし、と、非常に評判がよろしい。

まあ、この辺の人達はこういうお魚のことをよく知らないんでしょう……と思いながら、トレイひとつを購入し、帰宅後、料理にかかる。

まず、腹腔の少し後側の身を刺身にする。この手の魚を捌くときには、いわゆる「大名おろし」と呼ばれるおろし方をすればよい……ただし、中落ちにぶ厚く肉が残ることになるので、これと皮をとっておく。おろした両側の身の表面の皮を外して、薄めに引けば刺身の完成である。

次に、尾に近い身を同じように三枚におろして、これはぶ厚く切る。中落ちと皮を、先の刺身のときの中落ちと皮と共に鍋に入れて水を張り煮立たせ、アクを引きながら中火でしばらくおいて出汁を取る。これを漉し、酒、塩、少しだけの醤油で味を整え、先のぶ厚く切った身に片栗粉をまぶしたものを出汁に落として火を通す。食べる寸前に刻んだみょうがを入れて椀に盛れば、吸い物の完成である。

胸鰭のある辺りは焼き物にする。これは塩をしてグリルで焼くだけだ。これだけで、刺身・吸い物・焼き物、と、ヤガラのフルコースである。

食べてみると……いや、非常に上品な味なのだけど、決して薄味ではない。おろしているときも感じていたのだけど、身から生臭みとかを一切感じさせない感じなのだ。それがそのまま食味に反映されている感じである。しかし……あれ、数尾分も積み上げてあったのだけど、喜んで買った人を他にはついぞ見かけなかった。200円でこんなに贅沢な思いができるというのに……つくづく、食わず嫌いは損をすると思うのである。

2011/09/18(Sun) 22:20:51 | 日記
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T.T.Ueda
Tamotsu Thomas UEDA

茨城県水戸市生まれ。

横山大観がかつて学んだ小学校から、旧水戸城址にある中学、高校と進学。この頃から音楽を趣味とするようになる。大学は、学部→修士→博士の各課程に在籍し、某省傘下の研究所に就職、その2ヵ月後に学位を授与される(こういう経緯ですが最終学歴は博士課程「修了」です)。職場の隣の小学校で起こった惨劇は未だに心に深く傷を残している。

その後某自動車関連会社の研究法人で国の研究プロジェクトに参画、プロジェクト終了後は数年の彷徨を経て、某所で教育関連業務に従事。

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