ゲームの世界には高校がないらしい

僕はゲームというものをすることがない。Windows にくっついてくるマインスイーパーとかも最初っから削ってしまう。そもそも1980年からコンピュータというものに触っている関係上、最初の段階でゲームというものには嫌と言うほど触っているわけで、そこで(条件分岐を含めた「仕様」に支配された)ゲームの内的世界が所詮は人間の創造物に過ぎず、その上でその世界の規則に拘束されて動くことがひどく滑稽に思えるようになってしまったのだ。だから、未だに家にはゲームの類が一切ない。

ただ、ゲームに熱中する人間、というものには若干の興味があるので、何とはなくゲーム販売サイトを覗いたりすることはあったりする。最近は、特にいわゆるエロゲーの人気ランキングなどを見るにつけ「あーこの国には潜在的なペドファイルとかルサンチマンを溢れんばかりに溜め込んだ人とかが増殖しているのかな」などと厭世的な気分になってしまうので、あまり見ないように努めているのだが、でもまあ月に一度くらいは覗いてみるわけだ。

で、最近、ちょっと気になることがあった。その手のゲームの設定などを見ていると、「学園」という言葉が頻繁に出てくるのだ。まあ「学園もの」といえば昔からドラマなどでも王道なので、「学園」という名称を目にしてもおかしくない、という方もおられるのだろうが、じゃあ「高校」という名詞はどうなのか、というと、これが全くといっていいほどに目にすることがない。

で、昨日、たまたまゲームをやっている知人とメールでやりとりすることがあったので、ついでに思い切って彼にこのことを尋ねてみた。返ってきた答を読むと、あーなるほど、と得心したわけなのだが……要するに、ゲームの中では「学園」を舞台として、そこの学生同士であんなことやこんなことがあったりする。しかしながら、それらの行為のほとんどが、高校において行われたら倫理的に……というか、法律的に問題がある行為ということになってしまう、というわけだ。たとえば、恋愛系のゲームで、若き鬱勃たるパトスに暴走する男女が、人気のない校内でエッサカホイサと怪しげな行為に精を出している……という描写があったり、タバコや酒を嗜んだりするシーンがあったりするわけだが、これは高校においてそういう行為を助長するものと捉えられてしまう、というのだ。まあ、確かにそうだろう。

「……まあ、そこまでは分かるよ。けど、舞台をあえて『学園』と書く意図は?」
「だからね。この手のゲームにはちゃんと予防線が張られているわけですよ」
「予防線?高校を『学園』と書くこと?」
「そうです。この手のゲームの最初には『登場人物は18歳以上です』って但し書きが入るんですけど」
「はいはい」
「で、舞台を『学園』としておけば、18歳未満の不埒な行為を助長するのを避けられる、と」

いや、いくら何でも避けられないでしょ。どう見ても高校生の制服にしか見えないものを着ていて、で、登場する女性は例によってなんかロリロリした感じなんでしょ?それで「この人18歳以上だからオッケーです」って、言えるのぉ?

「言える……というより、無理やりそう主張するんですよ」
「主張する?」
「実際の服が明らかに高校生っぽい、とか、見た目がロリロリだ、とかいうのはもう無視してかかるわけですよ」
「無視するったって、ねぇ。実際は自明なんじゃないの」
「まあ、僕らから見たら自明なんですけど、それでもそうじゃない、と主張するわけです」
「……ということは、たまたまロリロリに見えるけど実際は18歳以上の学生だけで構成される『学園』なる学校があって、そこで何やかにやある、ということ?」
「そういうことです」
「でも、どう見ても高校なんだけどなぁ」
「いや、だから、そういう実に都合のいい『学園』という仮想舞台が設定されていて、そこでどんなにロリロリで未成年っぽく見える登場人物がいたとしても、実はその子達はことごとく未成年じゃないんです、という弁明が展開できるようにしてあるわけですよ」

しかしですな、そこに出てくる子達って、例えば……DMM.COM の18禁ゲーム売り場で散見するような、こんなのでしょ?これが皆18歳以上という「お約束」になってるわけ?で、ここで散見される子達は、18歳以上の人間だけで構成される「学園」なる場所に身をおいている、と?

「そう言い切っているわけです。どれだけ視覚的に無理があろうとも、非難する向きには決然としてそう言い切る、と」

はーなるほど。まさに21世紀のサイバーマージナルですな。しかし、そんな言い訳で納得する方もどうかと思うのだけど。

2009/12/03(Thu) 07:51:31 | 日記
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Profile

T.T.Ueda
Tamotsu Thomas UEDA

茨城県水戸市生まれ。

横山大観がかつて学んだ小学校から、旧水戸城址にある中学、高校と進学。この頃から音楽を趣味とするようになる。大学は、学部→修士→博士の各課程に在籍し、某省傘下の研究所に就職、その2ヵ月後に学位を授与される(こういう経緯ですが最終学歴は博士課程「修了」です)。職場の隣の小学校で起こった惨劇は未だに心に深く傷を残している。

その後某自動車関連会社の研究法人で国の研究プロジェクトに参画、プロジェクト終了後は数年の彷徨を経て、某所で教育関連業務に従事。

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