休まらない

おかしい。先週土曜からたっぷり休みを貰った筈なのだが、どういうわけかちっとも休めていない。

U が所用で郷里に週末に帰ることになったので、その間に iMac を OS X 10.9.2 に version up するのと、事務仕事用に使っている Dell Vostro 1400 の OS を Windows 8.1 pro に upgrade することになった。

iMac の方はまだましだった。数十分で version up は終了、リモートログイン常用者にとって憂鬱な省エネ設定を殺すこと以外は、特に問題になることは何もなかった。問題なのは……いつでもそうなのだけど…… Windows の方だった。

vostro 1400 の HDD は買ったときのままで、その容量は僅か 80 MB。SSD にしようか少し迷ったが、ここは長期信頼性と容量を考えて Western Digital の 500 GB HDD に換装することにする。Windows 8 pro のアップグレードディスクは、まっさらなシングルパーティションの場合はクリーンインストールにそう苦労しないので、さっくりインストール……したつもりだったが、 8.1 に upgrade しようとしたらアップグレードパッケージ約100個の適用を求められる……おいおい。とりあえず数十程度適用したところで、もう一度試してみると、今度は OK ということで、Windows 8.1 pro に更新するまでに結構な時間を費してしまった。

Windows 8.1 に上げたところで Kaspersky を導入、しかる後に Classic Shell を導入する。ディスククリーンアップをかけると10数 GB ものファイルが削除される。メモ帳は使いものにならないので TeraPad を入れ、ccleaner を入れ、ultradefrag を入れ……などとやっていたら、もう日曜の朝だ。

今日の午後は、某修道会で頼まれて手配した A3 複合機のセットアップをすることになっていた。修道院に行って、ついでにシスター達が使っている端末をチェックすると……ううう、hao123 と Delta Search に汚染されている。ということで「清掃」作業で時間が潰れていく。今日は職場で雑務を処理しようと思っていたのだが、結局行けずじまい。休まらない。

そして夕食後。Mac の TeX Live を最近 update していなかったので、この機会に 2014 pretest に upgrade。それをしたところで、Mac の X 周辺を何も整備していなかったことに気付き呆然とする。うー、Xcode 入れてー、command line tool を入れてー、Xquartz も更新してー、そうそう homebrew も入れ直しておくか……とかやっているともう午前2時である。休まらない。しかし自業自得なのだろうか、これは。

TeX Live 2013 frozen

今年もこの時期がやってきた。TeX Live 2013 が frozen になったのだ。

frozen = 凍結 になった後は、 TeX Live 2014 に向けての pretest が進められ、5月15日には pretest も frozen となり、6月8日には配布用 DVD image が配布開始、そして7月1日には TeX Live 2014 の正式リリースとなる予定だ。

まあ、日本語環境に関してはある意味一段落している状況ではあるわけだが、LuaTeX 上での日本語の取り扱いに関してはまだ課題が色々あるだろう。縦書きの問題(どういうわけか、ここ1、2年、縦書きを使わざるを得ない状況になっているので、これは正直気になるところである)なども残っている。僕も協力できることがあれば協力したいのだけど……

ultradefrag for Linux その後

相変わらずultradefrag を使っているわけだけど、shared library の version up などで走らなくなる。その都度 make し直せばいいや、と思っていたのだが、どうも make が通らない。うーむ……

と、
https://dl.dropboxusercontent.com/u/14775223/Various/ultradefrag-5.0.0AB.7.patch
をチェックすると……なるほど、これでは駄目だわ。いや、ある種のシステムにはこれで良いのだけど、少なくとも Debian GNU/Linux (sid) ではこれでは駄目だ。ちゃんと書き直さない僕に非があるのだ。

ということで、私家版 patch を作成した。library 周りの整合性を確保しただけで、他には何もしていないのだが、使ってみたい方はどうぞ。ただし、あくまで自己責任で、ということで。ultradefrag for Linux 自体まだ正式なものではないので。

悪意か不注意か?

理研の某女性研究者の件だが、僕に言わせれば、あれは切り貼りした PCR プロファイルの図1枚だけで既に終了しているのだ。もう数多くの方が書かれているけれど、あれは明らかに、T 細胞の遺伝子が rearrange したということを主張するために切り貼りされているのであり、しかもその切り貼りした部分には rearrange されていない DNA のラインが出ていない。T 細胞だからって、何から何まで遺伝子が再構成されるわけじゃない。染色体において対になっているもう片方の DNA は元の配列を持っているのだから、あの図には(微かであったとしても)GL と示された位置にラインが出るのが reasonable なのだ。それを、猿の浅知恵で「GL にラインの出ていないプロファイルを切り貼りした」ということこそが、某女性研究者の故意の何よりの証拠なのだ。

D 論の図を使用したことだってそうだ。D 論はしんどいしんどい思いをして書くものだ。散々教官に駄目を出され、精神的にクタクタになって、這い擦るような思いで、文章をまとめ、図面や参考文献リストを用意して、ひとつの D 論ができあがる。だから、書いて数年も経たないなら、自分が D 論に使った図を忘れて使い回す、なんて、僕には信じられない。しかもキャプションを消して再利用するなんて。先の PCR にしたってそうだけど、Nature に論文が掲載されるというのは「それ1本で通常の論文3本分に匹敵する」とまで言われる、研究者にとっての「晴れ舞台」だ。だから、図は少しでも良いものを用意するのが普通だ。何かのプレゼンで使ったパワポに貼ってある画像を再編集して使う、なんて、僕にはてんで理解できない。

以下に述べることは僕の邪推であるが、temporary なポストにある若手研究者が、研究者の名声と parmanent なポストを得るまでの「賞味期限付」の実績として、この Nature の論文が用意された……と考えたらどうだろう。時か過ぎ、その内実が露になったとしても、そのとき「ああ、これは勇み足でしたねえ、でもこれまでに他にも業績上げてるし、まあいいんじゃないですか」と言える(というだけで僕はどうかと思うんだが)ようなポストと周辺状況を得ていれば、特に問題はないんじゃないか……そう考えて準備されたものだとしたら。こんなものが Nature に投稿・掲載される、ということのメカニズムとして、僕が考えつくのはそれ位しかない。そしてその台本を書き、お膳立てをしたのは某女性研究者ではなく、corresponding author の方だろう。だからといって、それに乗った者の罪がない、ということにはならないし、そんな虚偽のストーリーで世に出る研究者がいたとしたら、ポスドクの不安な日々で潰されそうになりながら研究を続けている若手研究者達にとって、あまりに救いのない話だと思うけれど。

健康・不健康

ここしばらくの間、とにかく忙しかった。その中で3回程ダウンしたわけだが、1回はノロウイルスなので仕方ないとしても、後の2回がどうにもおかしな感じだった。食べ物を胃が一切受け付けない状況になって、治癒には1週間程がかかる……本当に、どうもおかしな感じだった。

近所にある内科の医院に受診したとき、ドクターに言われた。

「これは一度ちゃんとチェックした方がいいんじゃないですかね」

ということで、胃カメラの検査とエコーの予約をとって、金曜日の朝一で行ってきた。この医院では、鼻から入れる胃カメラを使用していて、喉の奥を刺激されることもほとんどないとの話だったのだが……まあ、異物を突っ込むわけだから、何も違和感がないというわけにはいかない。事前に鼻腔からキシロカインビスカスらしいものを流し込まれて、喉の奥の方まで嚥下ができない位に麻酔がかかった状態にされてから、2段階位に鼻を棒で拡張され、しかる後に胃カメラを突っ込まれる。

しばらくして、ドクターが手にしたのは……あれは生検鉗子じゃないか。胃カメラに突っ込んで、胃から粘膜を2箇所位引きちぎって採取する。うー。出血するのを自分で見るのは何とも言えない感じだ。しかし、生検ってことは……何か怪しいところでもあったのか? 嫌な汗が出てくる。

胃カメラ検査の後はエコーで腹部・胸部・頸部とチェックされるが……

「今迄検査で何か言われたことってない?」
「え?……いや、別にないですが」
「胆石があるんだよね。結構大きい」」
「胆石ですか……」

まあ、祖母も胆石で胆のうを全摘しているんだが、家系的なものでもあるんだろうか……と思い悩んでいるうちに、検査は終了した。別室で結果を聞く。

とりあえず、腫瘍は発見されなかったのだが、胃粘膜の怪しいところからは、ピロリ菌が検出された。このための生検なのか……と、ほっと一息。これに関しては即刻抗生物質の多剤投与で除菌を始めることにする。胆石に関しては……とりあえず、これとその周辺にある細かい滞留物のせいで、胆汁が流れにくくなっていた可能性があるとのこと。うーむ。その二つの複合的効果の結果であるならば、あの胃の調子の悪さも説明がつく。とりあえずは小さな滞留物を流してしまうためにウルソが処方された。

かくして、げっそりしながら会計に向かう。保険適用で1万円ちょっと……薬代も含めると1万3千円位だろうか。まあ、これで調子がよくなるなら安いものだと思うしかない。

あなたは何か勘違いをしているようですが

小保方氏 コメント全文 「STAP発見が捏造と誤解される」 2014.4.2 07:51

調査委員会の調査報告書を受け取りました。驚きと憤りの気持ちでいっぱいです。特に、研究不正と認定された2点については、理化学研究所の規定で「研究不正」の対象外となる「悪意のない間違い」であるにもかかわらず、改竄、捏造と決めつけられたことは、とても承服できません。近日中に、理化学研究所に不服申立をします。

このままでは、あたかもSTAP細胞の発見自体が捏造であると誤解されかねず、到底容認できません。

レーン3の挿入(改竄とされたDNA解析画像)について。

Figure 1i(論文の画像)から得られる結果は、元データをそのまま掲載した場合に得られる結果と何も変わりません。そもそも、改竄をするメリットは何もなく、改竄の意図を持って、Figure 1iを作成する必要は全くありませんでした。見やすい写真を示したいという考えからFigure 1iを掲載したにすぎません。

画像取り違え(捏造とされた博士論文関連の画像)について。

私は、論文1に掲載した画像が、酸処理による実験で得られた真正な画像であると認識して掲載したもので、単純なミスであり、不正の目的も悪意もありませんでした。

真正な画像データが存在していることは中間報告書でも認められています。したがって、画像データを捏造する必要はありません。

そもそも、この画像取り違えについては、外部から一切指摘のない時点で、私が自ら点検する中でミスを発見し、ネイチャーと調査委員会に報告したものです。

なお、上記2点を含め、論文中の不適切な記載と画像については、すでにすべて訂正を行い、平成26年3月9日、執筆者全員から、ネイチャーに対して訂正論文を提出しています。

(msn 産経ニュースより)

……どうやら、まだ分かっていないようですね。

あなたは何か勘違いをしているようですが、今信頼性を問われているのは、あなた自身なのです。STAP 細胞の存在が疑問視されているのは、あなたが作ったと主張しているからです。あなたが関与しない、オープンな場で、STAP 細胞の存在と作製における再現性が確認されれば、STAP 細胞の存在は認知されるでしょう。しかし、あなたの信頼性は、もはや地に堕ちたのです。

私は生命科学の研究者ではありませんが、もし私が、自分の関わる分野で、あなたのような研究者と一緒に実験するという話になったら、私は全力でそれを回避するでしょう。当たり前です。実験も、そのデータの解析も、とてもじゃないけれど任せることなどできません。たとえば結晶構造の確認のために測定した XRD プロファイルを、見栄えを良くするためにツギハギにされたり、透過電顕で得た回折像をごちゃ混ぜにされたりしたら、これはもう目も当てられません。

あなたは知というものの集積の歴史とその重みを全く理解されていない。知は周到に積み重ねたその先に未来を切り開くもので、もしそこに脆弱な、真正でないものを積んでしまったならば、そこに更に積まれたものはいつか音を立てて崩れるのです。その結果、現在ばかりでなく、未来に至るまで、あなたと同じ分野で知を積む人々が、その崩落にどれだけ巻き込まれると思いますか。そして、そこに開いた大穴が埋められるまでに、どれだけの労苦と時間が費されるか、本当に分かっているのですか。

ここにはっきり断言しますが、もはやあなたは、自然科学というものに関わる資格を失ったのです。あなたが積むものは、その上の遥か未来に向けて積まれる知の集積に耐え得ない、そう認知されているのです。もっとはっきり言いましょうか。あなたはそこに何か積もうとしちゃいけないんですよ。あなたのせいで、あなたより若い人々が転げ落ちる、そのことは、何が何でも全力で阻止されねばならないことです。

この先あなたがどうされるか、それは分かりませんし、私が知る必要もないことです。ただし、あなたが今、3人も弁護士を立てて、自然科学者としての己の立場を守ろうとしているその労苦は、もはや何も意味を持ち得ないのです。その労苦は、自然科学の知の集積とは違うところで、あなたがどのように生きていくのか、その開拓のためにお使いなさい。仮に STAP 細胞が実在するとしても、あなたのされたことは自然科学に携わる者としては唾棄されるべき行為ですし、それをしたあなたはもう自然科学者として存在することはできないのです。そのことを、あなたは受容しなければならないのです。

僕はそんなに暇じゃない

トンデモ系の餌食になってしまう政権与党って』『トンデモ系の餌食になってしまう政権与党って (2)』に関しては、未だに散発的なコメントを貰うことがある。純粋に興味があって書かれていることもあるが、ある人物・団体を擁護しようという意図が透けて見えることもある。これはどうなんでしょうねえ。

まあ、僕相手に何事かを糊塗しようとしたって、それは無駄というものなのだ。例の、ある研究者に寵愛されていたらしい若手女性研究者モドキを見るまでもなく、それは明らかなことなのに。残念だけど、僕はそういう手合いに一々ケアしてやれる程に暇じゃないんだが。

Profile

T.T.Ueda
Tamotsu Thomas UEDA

茨城県水戸市生まれ。

横山大観がかつて学んだ小学校から、旧水戸城址にある中学、高校と進学。この頃から音楽を趣味とするようになる。大学は、学部→修士→博士の各課程に在籍し、某省傘下の研究所に就職、その2ヵ月後に学位を授与される(こういう経緯ですが最終学歴は博士課程「修了」です)。職場の隣の小学校で起こった惨劇は未だに心に深く傷を残している。

その後某自動車関連会社の研究法人で国の研究プロジェクトに参画、プロジェクト終了後は数年の彷徨を経て、某所で教育関連業務に従事。

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